株価形成過程におけるキャッシュ・フロー情報の有用性
Project/Area Number |
10730064
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Accounting
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
百合草 裕康 三重大学, 人文学部, 助教授 (90240176)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | キャッシュ・フロー / 情報内容 / 株価形成 / 資金収支 / 株価形成過程 / 有用性 / 回帰モデル |
Research Abstract |
平成12年度は、(1)キャッシュ・フローの情報特性の検証および(2)株価形成過程におけるキャッシュ・フローの情報内容に関する研究を行った。 (1)キャッシュ・フロー情報を会計利益情報と比較して、キャッシュ・フローが会計利益が異なる内容の情報であるのか、またキャッシュ・フローが会計利益と比較して平準化されにくい情報であるのか、という点について検証した。その結果、キャッシュ・フローと会計利益との間の相関関係は、発生主義に影響を受ける度合が強くなるほど希薄になること、キャッシュ・フローの時系列分散は会計利益のそれよりも大きい傾向にあり、キャッシュ・フローが会計利益よりも平準化されないことが明らかになった。また、キャッシュ・フローの時系列特性を検証し投資者の期待形成に適合したモデルを推定した。その結果、従来、有力視されてきたランダム・ウオークモデルにもとづく予測誤差には1階の負の系列相関が観察された。そのため、キャッシュ・フロー時系列の自己相関係数および偏自己相関係数を手がかりにIMA(1,1)モデルが最も現実的なモデルであると結論づけられることを明らかにした。 (2)株価形成過程にキャッシュ・フローが影響を与えているか否かを検証するために、資金収支表から得られる営業・投資・財務キャッシュ・フローの期待外部分と異常株式収益率の間にみられる統計的依存関係を回帰分析モデルを用いて分析した。分析の結果、営業キャッシュ・フローについては1997年以降、急速に情報内容が高まっていること、投資キャッシュ・フローおよび財務キャッシュ・フローについては、経済状況や事業環境により株価形成に与える感度が大きく変化すること、キャッシュ・フローの情報内容は業種により大きな差異がみられ、素材産業や機械など業績がよくない業種において特に株価との関係が強いことが明らかになった。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)