銅酸化物高温超伝導体の単結晶中の超音波の音速・吸収
Project/Area Number |
10740174
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
荒井 毅 九州大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20274425)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1999: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 銅酸化物高温超伝導体 / 超音波 / 音速・吸収 / ビスマス2212 / 単結晶 / TSFZ |
Research Abstract |
1)Bi_2Sr_2CaCu_2O_<8+X>単結晶中の超音波の音速測定 Bi_2Sr_2CaCu_2O_<8+X>単結晶中の超音波の音速を2重パルス重畳法により4Kから室温まで測定した。その結果、常伝導から超伝導への転移点でのC_<11>のソフトニングとそれに続く常伝導状態を上回る格子の硬化を観測した。これは在来の超伝導体にみられない現象である。 ランタン系では広島大の藤田等により同様の現象が見い出され、その特異性が指摘されていた。しかしランタン系では超伝導転移と関連する構造不安定性が報告され、銅酸化物高温超伝導体の特徴と言えるか疑問があった。また、他の銅酸化物高温超伝導体単結晶では超伝導転移での音速変化は測定できた例がほとんどなかった。今回のビスマス系の測定はそれに継ぐものになる。しかも、大きな構造相転移やY123系にみられるCuO鎖がないなど2次的な問題の少ないビスマス系で見い出されたことで、これが銅酸化物超伝導体に一般的な電子-格子相互作用の特異性の一般化を示唆する。現在、音速の測定結果と単結晶作製について各1遍の論文を投稿準備するとともに高磁場中の測定を準備している。なお、試料は自らTSFZ法で作製したものである。測定システムは前年度、当科研費の補助も合わせて製作したものである。 2)Bi_2Sr_2CaCu_2O_<8+X>単結晶キャリアー密度制御 TSFZ法で作製した単結晶試料でのキャリアー密度制御のため、ガス・真空中での熱処理による酸素量制御を試行してきた。今年度、高温での熱処理中の電気抵抗変化をin-situ測定するなどして劈開した小型単結晶での転移温度制御に成功した。しかし、得られた緩和時間に対する知見から超音波測定可能な試料サイズでは均一な処理をするのは困難であることがわかった。現在はY置換単結晶試料の作製によるキャリアー密度制御に方針を変更し、試行している。また、酸素量制御した試料については、磁気抵抗から擬ギャップの対称性を探る研究を開始した。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)