細胞動態の解析によるイネの器官分化・形態形成過程に関する発育遺伝学的研究
Project/Area Number |
10760003
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Breeding science
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
魚津 桜子 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助手 (10293713)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | イネ / 細胞動態 / 節間伸長 / 細胞分裂 / 細胞伸長 / 細胞周期 / XET遺伝子 / in-situ hybridization |
Research Abstract |
本研究は、植物の発育生長の遺伝的制御機構を解明することを目的に、器官分化・形態形成における細胞の動態、および細胞動態と細胞分化の関係を明らかにするために、イネの分化器官の組織・細胞化学的解析を行うものである。今年度に得られた成果は以下のとおりである。 イネでは生殖生長時に節間基部に介在分裂組織(IM)を形成し、IMにおける細胞の分裂・伸長が活発になって節間伸長を引き起こす。細胞動態の制御による器官分化の1事例としてこの節間伸長に着目し、その遺伝的メカニズムを明らかにするために、節間形成および伸長に関するいくつかの突然変異体(秋晴矮性(d18)、DMF-1、短稈白笹(d6))における細胞動態の変異について詳細に解析した。これら変異体における茎の形成・伸長過程を、伸長期節間の組織観察により調査したところ、それぞれの変異体で茎形成過程の諸段階における変異が確認された。すなわち、秋晴矮性では、IMを形成するがその構成細胞は少なく、伸長の程度が著しく小さいことから、IM細胞の分裂・伸長活性が低下していると考えられた。DMF-1では、IMの正常な分化が起こらず、以後の細胞分裂伸長も阻害されていた。短稈白笹ではIMが正常に形成され細胞の増殖も正常であるものの、細胞の縦方向への伸長が阻害されていることが明らかになった。また、本課題にて前年度に同定した細胞分裂・伸長に関与する種々の遺伝子の発現パターンの変異を各変異体について調査した結果、変異体の種類に応じて特徴的なパターンを示した。 以上の結果から、供試した変異体はいずれも、段階的に進行する節間形成・伸長プログラムの特定の段階に関与する遺伝子の変異によるものであること、また、細胞の分裂および伸長に関与する遺伝子は、それぞれ節間形成・伸長プログラムの特定の段階において作用していることが示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)