心臓副交感神経作動薬を用いた心臓自律神経予備測定法の開発と治療への応用
Project/Area Number |
10770337
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Circulatory organs internal medicine
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Research Institution | Research Institute for Production Development |
Principal Investigator |
井野邊 義人 財団法人 生産開発科学研究所, 成人病科学研究室, 研究員 (30301740)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1999: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 塩酸ピレンゼピン / 糖尿病性心臓自律神経障害 / 心拍変動 / l-123 MIBG心筋シンチグラフィ / 心拍変動パワースペクトル解析 / 心臓交感・副交感神経 / 糖尿病性自律神経障害 |
Research Abstract |
選択的ムスカリン受容体拮抗薬である塩酸ピレンゼピンは、低用量ではM1受容体を遮断し逆説的に心臓副交感神経を刺激することが知られている。本年度は平成10年度の結果を踏まえて、糖尿病性心臓自律神経障害の新しい診断法として低用量ピレンゼピン負荷試験の有用性を確立させることを目的とした。【方法】安静時の心臓自律神経障害が同程度である糖尿病患者25例(安静時の心拍変動パワースペクトル解析(PSA)全周波成分200ms^2以下)を対象として、糖尿病性自律神経障害(起立性低血圧)を有さないD1群15例、有するD2群10例に分類した。低用量ピレンゼピン負荷試験は15分間安静臥床後ピレンゼピン(0.05mg/kg)を静注し、投与前、投与後30分間の心電図R-R間隔の連続測定から心拍数、PSAを算出した。【結果】心拍数は、D1群ではPZ投与直後から経時的に低下し140秒後に最低値(変化率-9±1.5%)となったが、D2群は投与前後で変化を認めなかった(-1±0.9%)(p<0.05)。心臓副交感神経活動の指標であるPSAの高周波成分は、安静時では両群に差はなかったが(D1群:45±8、D2群:31±13ms^2)、ピレンゼピン投与5分後ではD1群がD2群より大きく(D1群:250±87、D2群:45±7ms^2、P<0.05)、反応性が異なっていた(増加率D1群:5.1±1.4、D2群:1.4±0.2、p<0.05)。【結論】低用量ピレンゼピンに対する心臓副交感神経活動の反応性は糖尿病性神経障害の程度により異なる。低用量ピレンゼピン負荷試験は安静時では捉えられない潜在的な心臓自律神経障害の検出が可能であり、糖尿病性心臓自律神経障害の鋭敏な診断法となることが示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)