誘導型ヘムオキシゲナーゼによる虚血再潅流障害に対する耐性獲得機構の解明
Project/Area Number |
10770631
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Digestive surgery
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
林 忍 慶應大, 医学部, 助手 (20276281)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1999: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1998: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | ヘムオキシゲナーゼ / 酸素ストレス / ビリルビン / フリーラジカルスカベンジャー / 過酸化水素 / ヒドロキシルラジカル |
Research Abstract |
細胞内遊離ヘムをCO,鉄,ビリベルジンに分解する醇素であるヘムオ キシゲナーゼ-1(HO-1)は虚血再灌流障害により誘導されるストレス蛋白の一つである.我々はHO-1誘導の前処置を受けた組織における酸素ストレス耐性獲得機構の解明を試みた.ラット腹腔内にHO-1誘導物賀としてヘミンを注射した群と対照群で腸間膜微小循環の生体顕微鏡観察を行い,抗ラットHO-1単クローン抗体を用いて,腸開膜組織のWestern解析と共焦点レーザー顕微境による免疫蛍光染色を行い,本酵素発現の時間的推移と分布を検討した.その結果,対照群ではHO202の表面灌流により川量依存性に白血球の転回,接着の活性化が起こり,500μMまではwallshear非依存性の接着増強が認められた.この反応は抗P-セレクチン抗体(ARP2.4)の前投与で完全に抑制された.また,10μMのビリルピン(BR)の表面灌流でもこの接着反応は抑制された.一方,HO-1誘導群では12時間後に蛋白発現が最大に達し,その分布は微小血管内皮,および肥満細胞やマクロファージを含む間質細胞に及び,H2O2の表面灌流下で白血球の転向.接着の増強を認めなかった.この際局所にHO阻害剤であるZnPP 0.5μNを前処置するとH2O2による白血球の転回,接着が再現されたことから.HO-1が誘導された血管床ではその酵素反応の結果,H2O2惹起性の接着が抑制されたものと考えられた.一方,H2O2に対する細静脈でのP-セレクチンの発現を蛍光標識ARP2.4を用い共焦点レーザー系で検討すると,対照群で認められる発現増強はHO-1誘導群で著しく減弱し.ZnPP添加後にH2O2添加した際には発現が認められた.以上より.HO-1誘導による炎症反応に対する耐性獲得のメカニズムにBR生成による酸素ストレスの軽減とP-セレクチン依存性の白血球接着反応の減弱が関与することが示唆された.
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)