ショウジョウバエの生殖細胞形成におけるNanos蛋白質の役割
Project/Area Number |
10780456
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Developmental biology
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
田口 美穂 (浅岡 美穂) 筑波大学, 生物科学系, 助手 (90292507)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ショウジョウバエ / 生殖細胞 / Nanos / Ftz-F1 / Nuclear Import / 翻訳制御 / 極細胞 / 転写抑制 / Cyclin B |
Research Abstract |
これまでに、ショウジョウバエの極細胞の生殖巣への移動と分化に必須な因子として、極細胞中にある母性Nanos蛋白質(Nos)を同定した。本研究では、Nos蛋白質が極細胞中でOho31蛋白質の発現を抑制していることを明らかにした。正常な初期胚発生過程において、Oho31蛋白質は全ての体細胞で発現するが、極細胞中でのみ発現しない。これに対し、Nos蛋白質を欠く突然変異胚では、Oho31蛋白質が極細胞中でも異所的に発現した。さらに、正常胚の移動過程の極細胞中でOho31蛋白質を強制発現させると、極細胞の生殖巣への移動が阻害されることも明らかにした。以上の結果から、Nos蛋白質は極細胞の移動を阻害するOho31蛋白質の産生を生殖系列特異的に抑制していることが強く示唆される。 Oho31蛋白質はXenopusのImportin aのホモログであり、N__-uclear l__-ocarization s__-equences(NLS)をもつ転写因子を細胞質から核内へ移送する機能を持つと考えられている。私は、NLSをもつ転写因子であるFtz-F1蛋白質の核への局在が、Nos蛋白質により極細胞特異的に抑えられていることを明らかにした。さらに、Oho31蛋白質を極細胞中で強制発現させた胚では、nos突然変異胚と同様に、Ftz-F1蛋白質が極細胞の核に分布すること、Oho31蛋白質の代わりにFtz-F1蛋白質を強制発現させた胚においても、nos突然変異胚と同様に、極細胞の移動が阻害されることも明らかになった。以上の結果から、Nos蛋白質による特定の転写因子の核移行阻害により引き起こされる転写の不活性化が、正常な極細胞の移動に必須であると考えている。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)