結晶学的乱れのない重い電子系における非フェルミ液体的挙動の発現
Project/Area Number |
10874053
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
高畠 敏郎 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 教授 (40171540)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅尾 和則 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 助手 (10223596)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1999: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 重い電子系 / 磁気転移 / スピンゆらぎ / 磁気抵抗 / 超伝導 / 単結晶 / スピン密度波 / 比熱 / 圧力 / 非フェルミ液体 |
Research Abstract |
結晶学的乱れのない重い電子系における非フェルミ液体的挙動の原因を明らかにする為に、以下の単結晶を育成し、圧力下での物性測定によって以下の新しい知見を得た。 1.CeNiSnの一軸圧誘起磁気転移:CeNiSnは擬ギャップを持つ常磁性半金属である。斜方晶構造のc軸またはb軸方向に圧力を加えると、p【greater than or equal】0.13GPaでは4K以下で反強磁性秩序が発生した。磁気転移は比熱と帯磁率にピークとして現れた。p//aでは、比熱と帯磁率は徐々に減少した。この強い方向依存性は、結晶場下における4f電子と伝導電子との異方的な混成が、著しく変化した事を意味する。p//cでの電気抵抗の温度依存性から、磁気臨界点付近で反強磁性的スピン揺らぎによる散乱が増大することが示された。 2.Ce_7Ni_3の非整合スピン密度波状態と特異な伝導現象:六方晶のCe_7Ni_3は1.8Kと0.7Kで2段の磁気転移を起こした後も、130μΩcm程度の大きな残留抵抗を示す。この値は単結晶試料を超高真空中で固相電解しても変化しなかった。しかし、磁化容易軸のc軸方向に磁場を印加すると、0.35Kでは9Tで-55%もの巨大磁気抵抗を示した。一方、ホール係数と帯磁率の温度変化は互いにスケールできるので、キャリア密度は磁気転移点以下で減少しないことが判った。これらから、大きな残留抵抗は、非整合スピン密度波状態におけるスピン揺らぎに起因すると結論できる。 3.加圧によるCe_2Rh_3Ge_5の反強磁性秩序の消失と超伝導の探索:斜方晶の反強磁性体であるGe_2Rh_3Ge_5のTNは4.9Kから圧力とともに低下し、0.4GPa以上で消失した。さらに圧力を高めると、多結晶試料の電気抵抗は0.5K以下で急に低下した。これは試料の一部の超伝導転移を示唆するが、そのような抵抗の減少は単結晶試料では観測されなかった。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)