Project/Area Number |
10877348
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Chemical pharmacy
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
片桐 信弥 北海道医療大学, 薬学部, 教授 (60089787)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 高圧 / 酵素反応 / 炭素環ヌクレオシド / 抗ウィルス活性 / シクララジン / 炭素環オキセタノシン / アデノシンデアミナーゼ / リパーゼ |
Research Abstract |
本研究では抗ウイルス活性を有する炭素環ヌクレオシドの高圧下でのアデノシンデアミナーゼによる脱アミノ化反応ならびにリパーゼによる脱アシル化反応を検討した。 1, 炭素環ヌクレオシド、シクララジンのアデノシンデアミナーゼによる脱アミノ化に対する高圧の影響 シクララジン(1)は抗ウイルス活性をもつ炭素環ヌクレオシドで、現在抗ヘルペス剤として用いられているara-Aの炭素環アナローグである。両エナンチオマーのうち活性体はara-Aと同じ絶対構造を持つ(+)-体である。(+)-1はara-Aよりもはるかにアデノシンデアミナーゼによって脱アミノ化されにくいが、常圧下およそ14時間で完全に脱アミノ化された。この反応を加圧下で行ったところ、50MPaでは9時間で、400MPaでは2時間で反応は完結した。一方、(-)-1は400MPaでも脱アミノ化を受けなかった。これらの知見から高圧を用いることによりシクララジンのラセミ体の光学分割が示唆された。そこでラセミ体を合成し、脱アミノ化を行ったところ予想どおり光学分割に成功した。 2, 炭素環オキセタノシン類のリパーゼによる高圧下での脱アシル化反応 炭素環オキセタノシン(2)は強い抗HIVならびに抗HSV活性をもつヌクレオシドアナローグである。これらヌクレオシドからなるオリゴマーはおそらく特異な生物機能を持つであろうと予想される。しかし、2は通常のヌクレオシドと異なり二つの一級水酸基を持つ。従って、オリゴマーを合成するにはこれら水酸基を選択的に保護する必要があった。リパーゼによる脱アシル化が選択的保護に有効であることが判った。しかし、選択性が高いものの反応が極めて遅かった。そこで高圧下での反応を行ったところ反応の加速がみとめられたが、選択性の面で実用化までには至っていない。今後、基質の変換を行うことにより反応が改善できると考えている。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)