細胞表層に存在する新規ヌクレオチド代謝酵素の生理的役割の解明
Project/Area Number |
10878103
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Functional biochemistry
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堅田 利明 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (10088859)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星野 真一 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (40219168)
仁科 博史 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教授 (60212122)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | リンパ球 / CD38 / エクト型酵素 / NADアーゼ / レチノイン酸 / PC-1 / ホスホジエステラーゼ |
Research Abstract |
申請者の研究グループは、レチノイン酸によるヒトHL-60細胞の好中球への分化過程でエクト型NAD分解酵素 (NADase) が細胞表層に誘導され、この酵素活性がリンパ球表面抗原のCD38によることを先に明らかにした。本研究では、細胞表層上の新しい機能分子と期待されるCD38及びその関連分子PC-1に関わる細胞内シグナル伝達機構、酵素化学的特性、及び転写制御機構などを検討し、以下の知見を得た。1、CD38の基質特異性について検討し、CD38はNAD以外に多様な化合物のN-グリコシド結合を切断し、ニコチンアミドを遊離する特性を示した。2、ラットCD38を認識するポリクローナル抗体を用いた解析から、CD38はアストロ細胞に強く発現することを見出した。また、アストロ細胞表層のCD38は酵素反応の進行にともない何らかの化学修飾を受けて不活性化された。3、CD38の反応産物のADP-riboseは、老化への関与が指摘されている翻訳御修飾であるadvanced glycation end products(AGE)化のよい供与体となることが示された。4、糖鎖修飾を受けたCD38と結合する50-kDaタンパク質をリンパ組織に見出した。5、ヒトCD38遺伝子の遺伝子発現について解析し、核内レチノイン酸受容体のRAR(α)/RXRが結合する応答配列が第1イントロン上に存在することを見出した。6、構造上CD38に類似したPC-1にはホスホジエステラーゼ活性が存在するが、Jurkat Tリンパ球細胞をdibutyryl cAMPで処理すると、膜結合型の発現に加えて可溶性型のPC-1が分泌された。7、膜貫通型および分泌型PC-1の酵素学的な性状に差異はなく、両酵素はPC-1 mRNAの翻訳産物から異なるプロセッシングによって生じる可能性が示された。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)