胎生期から新生期にわたる呼吸中枢解析のためのマウス摘出脳幹-脊髄標本の開発
Project/Area Number |
10878152
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Neuroscience in general
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research (1999) Tokyo Metropolitan Institute for Neuroscience (1998) |
Principal Investigator |
荒田 晶子 財団法人 東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 研究員 (00266082)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 胎生期〜新生期 / ノックアウトマウス / 摘出脳幹-脊髄標本 / 呼吸リズム形成機構 / ホールセルパッチクランプ法 / 呼吸不全 / ホメオボックス遺伝子 / GABA_A受容体Clチャネル / マウス / 機能的神経回路網の発達 / シナプス形成 |
Research Abstract |
呼吸の神経回路は生まれて、すぐに呼吸し始められるように基本的なところは胎生期において完成していると考えられる。しかし、いつ呼吸リズムが生まれ、どのように発達するのかについては、ほとんど知られていない。また、胎生期にほぼ完成する呼吸系神経回路は遺伝子レベルで制御されていると考えられる。したがって、本研究では、胎生期・新生期マウス摘出脳幹-脊髄標本を開発することにより、胎生型から成熟型へのネットワーク変遷を追える実験系を確立し、呼吸不全を示す遺伝子欠損マウスの摘出脳幹-脊髄標本を併用することによって、呼吸リズム形成ネットワークの発達と遺伝子レベルの制御の解明を目的とする。本年度は、呼吸不全を示すHox11L2遺伝子欠損マウスの摘出脳幹-脊髄標本における呼吸性ニューロンネットワークの異常が中枢性であるのか、この異常が何によって引き起こされたものであるかを検討した。ホメオボックス遺伝子の1つであるHox11L2を欠損したマウスは、呼吸不全により生後24時間以内に死亡する。このマウスの呼吸パターンは吸息相が短く、呼吸リズムが速く、頻発する無呼吸によって特徴づけられた。このマウスからの摘出脳幹-脊髄標本においても同様の呼吸パターンであったため、これらは呼吸中枢の神経回路の異常により引き起こされたと考えられた。さらに、摘出脳幹-脊髄標本におけるHox11L2欠損型の吸息性活動は、ビククリン、ピクロトキシンの灌流、あるいはCl^-濃度を30%に下げたKrebs液により正常呼吸パターンへ変化した。従って、この欠損マウスにおいては、GABA_A依存性Cl^-チャネルによる異常抑制のために、ニューロン間の興奮性結合が弱められ、吸息性ニューロンのバースト形成の維持が十分にできないことが呼吸不全の一因として示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)