Project/Area Number |
10F00004
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Linguistics
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田窪 行則 京都大学, 文学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PELLARD Thomas 京都大学, 文学研究科, 外国人特別研究員
PELLARD T.E. 京都大学, 文学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2010 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2011: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 言語学 / 琉球語 / 琉球諸語 / 歴史比較言語学 / 危機言語 / 日本語史 / 宮古語 / 与那国語 / 奄美語 |
Research Abstract |
本年度は消滅の危機に瀕している琉球諸語の現地調査を継続的に行ない、宮古語・八重山語・与那国語を中心に記述と歴史比較研究に努めた。 宮古語池間方言を五十嵐陽介(広島大学)、田窪行則(京都大学)、林由華(京都大学)久保智之(九州大学)と共同で研究を行い、そのアクセント体系が先行研究の報告と大幅に異なっており、2型ではなく3型体系であることを発見した。 沖縄県竹富町の黒島で調査を行い、八重山語黒島方言の数百語と談話資料等を収集した。更なる研究が必要であるが、先行研究で報告されてこなかった前舌と後舌「ア」の区別を発見した。 本年度の調査で与那国語の音韻体系に対する理解を深めることができ、特に音節構造の特徴が明になってきた。例えば語頭に鼻子音だけからなる副音節が存在することを発見した。文法に関しては、与那国語が琉球列島の他の言語・方言より遥に複雑な動詞活用体系をもっていることを確認した。先行研究の報告より多くの活用クラスを立てる必要があり、更に未報告の活用形が存在することがわかった。 琉球諸語全体の歴史比較研究が本研究の大きな目的の一つである。そのため本研究を通じて集めてきたデータと先行研究(特に辞書類)の資料をまとめデータベース化を始めた。琉球祖語の再建を目的とした比較語源辞典への第一歩となる。また、琉球諸語と日本語の史的関係を再検討し、いつ琉球祖語が琉球列島に入り、琉球諸語がいかに発達してきたかという問題を追求し、歴史比較言語学の研究成果を考古学や人類学の研究成果と照らし合わせた。古墳時代に琉球祖語と日本(本土)祖語が分岐し、10世紀前後に琉球祖語の話し手が九州より出発し琉球列島に移住したという結論に至った。
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