Project/Area Number |
10F00122
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Experimental pathology
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
高橋 雅英 名古屋大学, 医学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MUTELIEFU Gulinuer 名古屋大学, 医学系研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2010 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2011: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | chronic kidney disease / uremic toxin / indoxyl sulfate / cellular senescence / oxidative stress / vascular smooth muscle cells / atherosclerosis / hypertension / cell senescence / vascular smooth muscle cell / aging |
Research Abstract |
慢性腎不全の合併症の1つに動脈硬化が存在するが、その原因の1つとして、腎機能の低下に伴って血中に蓄積されるインドキシル硫酸(indoxyl sulfate,IS)が関わっている事が明らかとなっている。しかし、ISがどのようなメカニズムで動脈硬化を導いているのか未解明な部分が多いのが現状である。近年、様々な病態の発症に組織の細胞性老化の関与が明らかとなっている事から、我々は慢性腎不全時に発症する動脈硬化について血管平滑筋細胞に焦点を当て、ISが細胞性老化を導くのか解析を行った。細胞性老化の指標として、老化マーカーである、SA-βgalの活性化、p53、p21、p16、Rb、prelamin Aの発現量の変化に注目した。結果として、ISはヒト大動脈血管平滑筋細胞において、時間依存的及び濃度依存的にp53とp21のmRNAとタンパク質の発現量を促進させたが、p16、Rbの変化が認められなかった。ISは時間依存的にSA-β-galの活性化を増加させた。ISによる、SA-β-galの活性化やp53とp21のmRNAとタンパク質の発現誘導は抗酸化物質であるNACかp53の阻害剤であるPFTα添加により抑制された。また、ISはprelamin Aの発現量を促進させたが、FACE1の発現量を低下させた。これらの発現量の変化はNAC添加により抑制された。 さらに、免疫組織染色法により、ISは高血圧ラットの大動脈における、prelamin A、活性酸素マーカーである8-OHdGとMDAの発現量を増加させた。結論として、ISによる活性酸素の産生がSA-β-galの活性化、p53、p21、prelamin AとFACE1の発現量を共に変化させ、血管平滑筋細胞の老化を促進した。以上より、ISは活性酸素の産生を介して血管平滑筋細胞の細胞性老化を導くことで慢性腎不全時おける動脈硬化を発症させることが示唆された。
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