Project/Area Number |
10F00209
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Biomedical engineering/Biological material science
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
菊池 正紀 独立行政法人物質・材料研究機構, 生体機能材料ユニット, グループリーダー
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BODHAK S. 独立行政法人物質・材料研究機構, 生体機能材料ユニット, 外国人特別研究員
BODHAK Subhadip (独)物質・材料研究機構, 生体材料センター, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2010 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2011: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2010: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | アパタイト/コラーゲン骨類似ナノ複合体(HAp/Col) / シート / 生体分子付与 / ルシフェラーゼ遺伝子 / 遺伝子導入効率 / BMP遺伝子 / FGF-2 / カルシウムイオン / マグネシウムイオン / 細胞増殖性 |
Research Abstract |
まず、水酸アパタイト/コラーゲン骨類似ナノ複合体(HAp/Col)の合成時にDNAを加え、複合体の形成と同時にDNAを担持する手法の確立を試みた。その結果、HApに対するColとDNAの吸着反応が競争反応となるため、充分なDNA担持を実現することはできなかった。 一方、平成22年度に確立した生体分子担持HAp層をHAp/Col上に形成する手法を用い、DNA担持層の形成条件の最適化を行った。Ca/Pモル比を2.0に固定した上で、体液のCa及びPイオン濃度の1倍から4倍のコーティング液を作製した。この溶液にHAp/Col膜を浸漬して、SEMによる表面観察を行ったところ、Ca及びPイオン濃度が2倍以上の溶液で、リン酸カルシウム層が形成されることが確認された。粉末X線回折法により、得られたリン酸カルシウム層はアパタイトと推定された。これら2倍から4倍のCaP層形成溶液にルシフェラーゼプラスミドDNAあるいはDNAに加えて、フィプロネクチン、遺伝子導入補助作用のある脂質を添加し、DNA担持アパタイトコーティング層をHAp/Col膜上にDNA担持アパタイト層を形成した。ポジティブコントロールとして、遺伝子導入が可能であることが確認されているDNA・フィプロネクチン・脂質を含んだリン酸カルシウム層を形成したエチレンビニルアルコール(EVOH)を用いた。これらの基板の上で、CHO-K1細胞を培養し、ルシフェラーゼアッセイにより遺伝子導入効率を測定した。 その結果、DNAのみを含んだHAp/Col基板でも、EVOH基板と同等の遺伝子導入効率を示し、HAp/Colがフィプロネクチンや脂質と同程度に遺伝子導入の効果があることが示唆された。さらに、フィプロネクチンと脂質を含んだDNA担持層を形成したHAp/Col上では、EVOHに比べて、コーティング液の濃度が2倍のもので約3倍、濃度が3倍のもので約2倍の遺伝子導入効率を示した。したがって、これら2種類のコーティング液を用いてDNAを担持することで効率的かつ局所的に遺伝子を導入できる材料を合成できることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
HAp/Colナノ複合体上にモデル遺伝子であるルシフェラーゼ遺伝子を効率的に担持することに成功し、ポリスチレン基板を用いた時に比べて有意に高い(2~3倍)遺伝子導入効率を実現した。即ち、骨内で骨形成関連遺伝子の導入をすると同時に基板そのものは通常の骨代謝で分解され自分の骨に置換される材料の実現に近づいた。
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Strategy for Future Research Activity |
DNAの担持をHAp/Col骨類似ナノ複合体の合成と同時に行うことは、DNAの安定性や担持孔率の関係から実現には時間がかかると考えられるため、平成23年度に最適化したDNA担持表面を用いることで、骨形成関連遺伝子の導入を試みる。
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