Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2011: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
化石燃料利用体系の省エネルギー化,省資源化,環境負荷低減が急務となっている。現在は,熱化学的手法を基盤としたエネルギー・物質変換が主要な役割を果たしており,今後も重用されると思われる。しかし,長期的なエネルギー資源利用体系のあり方を考えたとき,既成技術の延長線上にはない革新的な環境調和型反応プロセスの開発が不可欠である。このような背景から,大気圧環境で形成される非平衡プラズマを利用して,天然ガスやバイオガスの主成分であるメタンを高効率に転換するための新しい反応プロセスを開発している。マイクロ空間で形成される誘電体バリア放電((大気圧非平衡プラズマの一種)を用い,メタン・酸素混合ガスを反応温度10℃で処理した時の液体生成物を^1H NMRで定性分析した。主生成物であるメタノール,ギ酸,ホルムアルデヒドに加え,化学的に不安定な過酸化物(CH_3OOH)も多量に生成された。CH_3OOHはメタノールの中間生成物と考えられ,メタノール収率向上に直結した生成物である。また,OHのカップリングによってH_2O_2が生成されることも明らかにした。H_2O_2が生成されることで,CH4の酸化に不可欠となるOHラジカルが失われる。メタノールの収率向上には,H_2O_2の生成・分解挙動を詳細に調べなければならない。反応温度が300℃の場合,メタノールのピーク強度はほとんど変化しないが,他の液体生成物は大きく減少した。300℃ではアルコール類は液相へと相変化できないため,プラズマ反応場(気相)で過剰に分解したためである。同様に,300℃ではH_2O_2の生成量も大幅に低下した。ホルムアルデヒド,ギ酸も有益な液体成分であり,これらを高い選択率で直接合成するためには,できるだけ低い温度(常温)でメタンを部分酸化させなければならないことを明らかにした。
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