Project/Area Number |
10F00767
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Environmental dynamic analysis
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
永田 俊 東京大学, 大気海洋研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
THIBODEAU Benoit 東京大学, 大気海洋研究所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2010 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2011: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2010: ¥200,000 (Direct Cost: ¥200,000)
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Keywords | 海洋 / サンゴ礁 / 窒素循環 / 栄養塩類 / 安定同位体 / 物質循環 / 生物地球化学 / 溶存態有機窒素 / 安定同位 / 生物地球化 / 硝酸 |
Research Abstract |
本研究は、沖縄県八重山諸島のサンゴ礁生態系に対する窒素の負荷の規模とその起源を見積もるとともに、負荷された窒素の生態系影響を査定することを目的とした。具体的には、各種安定同位体に基づく新たな流域診断技術を用い、八重山諸島のサンゴ礁に対する窒素負荷の状況を査定するとともに、生態系に流入した窒素が、一次生産者から捕食者に至る食物連鎖に対してどのような波及効果を及ぼすのかを評価した。本年度は、昨年度に引き続き、八重山諸島の調査地点においてサンプリングを実施した。石垣市白保、明石、伊土名のサンゴ礁域及びその外洋域で多点採水及び定点における採水を行い、海水中化学成分の時空間変動を解明するためのサンプルを取得した。得られたサンプルを、昨年度に検討した溶存有機態窒素の窒素安定同位体比の測定手法を用いて分析した。その結果の解析をすすめた結果、以下の知見が得られた。(1)高潮時には、リーフ内の溶存態有機窒素の窒素安定同位体比の地点間でのばらつきは小さく、3.2パーミルという外洋の溶存態有機窒素に近い値を示した。(2)一方、低潮時には、溶存有機窒素の濃度および窒素安定同位体比の地点間での差が大きかった。この窒素の供給源として大気由来窒素、河川由来窒素、リーフ内での生産といった可能性を検討した結果、安定同位体比や濃度の変動幅から考えて、リーフ内に溶存態有機窒素の発生源がある可能性が高いと推察された。以上の検討結果は、本研究の目標である、サンゴ礁の窒素同位体収支モデルの構築のうえで重要な意義を持つものである。この研究成果を論文にまとめ、国際誌に投稿した。
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