Project/Area Number |
10J00041
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Astronomy
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
松尾 太郎 国立天文台, 太陽系外惑星探査プロジェクト室, 特別研究員PD
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Project Period (FY) |
2010 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2011: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 太陽系外惑星 / 光赤外線天文学 / 宇宙生物学 / 赤外線干渉計 / アストロバイオロジー |
Research Abstract |
私は、提案代表者(Principal Investigator:PI)として、すばる望遠鏡につづく次世代の大型望遠鏡において地球類似惑星の直接観測を行う装置、Second-Earth Imager for TMT(SEIT)を提案している。2011年度の目標は、SEITのサイエンス・観測方式のコンセプトを確立することであった。そこで、共同研究者らと議論を進めて、地球類似惑星の直接観測に関する技術的な目処をつけ、さらにその性能に基づいて評価した結果、100程度の近傍の低温度星の周りで地球類似惑星の直接観測ができることを示した。さらに、SEITで観測可能な帯域にある「1.27umの酸素吸収線」に着目すれば、その発見された惑星の大気分光から惑星の生命存在の有無にアプローチすることが可能であることが分かった。そこで、実現可能性について評価する為に、酸素吸収線検出のノイズである、地球大気からの酸素輝線の放射強度についてすばる望遠鏡の近赤外線分光撮像装置で取得されたデータを用いて調べた。地球大気の酸素輝線の強度は、これまでに考えられてきた、OH夜光のような「日変動ではなく」、「時間変動」であることが分かり、夜24時を過ぎれば地球大気からの酸素輝線の影響をほぼ受けず、酸素吸収線の検出が可能である事が分かった。同様に近傍星について評価すれば、100天体の周りで5時間の積分時間で酸素吸収線の検出が可能である。一方、観測方式の実証を行う為に、天文台で新たにテストベッドを作り、観測方式が正しいことを実験的に示した。これらの成果は、技術的内容とサイエンスの内容とに分けて論文を提出する予定である。 以上のように、SEITの技術方式、サイエンスともにコンセプトを固める事ができた。十分に2011年度の目標を達成する事ができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
先の研究実績の概要で示したように、2011年度の目標はSEITのユニークな技術開発、及び目指すサイエンスを確立し、SEITの価値を高めることにあった。このように2011年度の目標はおおむね達成できたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の進め方として、まず本成果を論文として出来るだけ早く出版することが重要であると考えている。一方で、技術的コンセプトは確立したものの、それを実験的に検証することが必要である。そこで、共同研究者らと実験により実証を行い、実験室での開発に目処がついた段階で、実際の望遠鏡に搭載し、コンセプトを検証する事が大事である。
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