Project/Area Number |
10J00176
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
数理物理・物性基礎(理論)
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
佐藤 純 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 特別研究員PD
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Project Period (FY) |
2010 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2011: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 一次元ボース気体 / ベーテ仮設 / ソリトン / 可積分系 / 形状因子 / 相関関数 / 冷却原子系 / ボーズアインシュタイン凝縮 / ストリング仮説 / 冷却原子 / スペクトル関数 / 狭窄磁壁 / マイクロ波発振 |
Research Abstract |
一次元リング上でデルタ関数型で相互作用するボソン系はリープ・リニガー模型と呼ばれ、ベーテ仮設法により厳密に解くことができる。一方、ボソン場演算子が満たす運動方程式に於いて、古典極限をとると非線形シュレディンガー方程式が得られ、古典ソリトン解を持つことは古くから知られていた。ところが、この古典ソリトン解が元々の量子場理論に於いてどう対応するのかは未解決の難問であった。この系に於いて、古典ソリトンに対応する量子局在状態をベーテ状態の重ね合わせによって構成することに初めて成功した。そして、その厳密なダイナミクスを計算し、孤立量子多体系の緩和ダイナミクス、および再帰現象を観測した。さらに、振幅だけでなく位相もまた古典ソリトンと一致していることを明らかにした。また、再帰時間のシステムサイズ依存性を詳しく調べ、ベキ的に増大することを明らかにした。 一次元ボース気体の凝縮率を、代数的ベーテ仮設の手法によって厳密に数値評価することに成功した。そして、その有限サイズスケーリングを明らかにした。 TASEPと呼ばれる一次元排他的確率過程に於いて、形状因子展開と代数的ベーテ仮説の行列式公式を用いてそのダイナミクスを厳密に計算した。そして、その長時間における漸近解析を行った。 直流電流により誘起されるナノ狭窄磁壁中の磁化のダイナミクスを数値シミュレーションによって解析した。また、磁気記録素子としての熱特性をモンテカルロシミュレーションにより調べた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
古典ソリトン解に対応する量子状態を構成することは非常に困難と考えていたが、成功したため。振幅だけでなく位相まで含めて完璧な一致を示すことに成功した。また、一次元ボース気体の凝縮率の有限サイズスケーリングを見出したため。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度は、スピン-1/2ハイゼンベルク模型の有限温度相関関数を厳密に計算することに成功した。続けて、絶対零度2点相関関数の漸近振幅を厳密に導出することを目指す。リヨングループによって有限磁場下での漸近振幅が得られているが、これを零磁場の場合に拡張し、ルキャノフによる積分表示を数学的に厳密に導出したい。具体的には、2スピノン励起をストリング束縛状態に読みかえることによって、零磁場への拡張が可能になるのではないかと目論んでいる。
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