Project/Area Number |
10J00222
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Algebra
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
伊東 杏希子 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2010 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 整数論 / イデアル類群 / 類数 / 岩澤不変量 / 二次体 / 判別式 |
Research Abstract |
整数論のうち、二次体の類数の非可除性や岩澤不変量について研究を行った。本研究では、岩澤λ不変量が1となる虚二次体、0となる実二次体の無限族の具体的な構成や分布の考察を主な課題としている。岩澤不変量は多くの研究者によって研究されているが、その中での本研究の位置づけは、すでに代数的に証明されている結果の仮定を満たすものの個数評価と分布の考察・具体例の構成に該当する。具体的には、(1)「扱う二次体の基本判別式に勝手な合同条件を課した場合に、岩澤λ不変量が1となる虚二次体、0となる実二次体はそれぞれ無限に存在するか?」,(2)「岩澤λ不変量が1となる虚二次体、0となる実二次体の無限族をそれぞれ具体的に構成することはできるか?」という問題に取り組んだ。数値実験によるデータから、虚二次体の円分Zp拡大の岩澤λ不変量は0または1となることが非常に多いと考えられている。また、総実代数体の円分Zp拡大の岩澤不変量は、任意の素数pに対してλp=μp=0となることが予想されている(Greenberg予想)。実二次体は総実代数体である。そのため、(1)は成り立つ可能性が高いと考えられる。実際にそれを証明することが問題(1)を考察する目的である。問題(2)を考察する目的としては、他の結果への適用や数値実験への適用などの実用性を挙げることができる。問題(1)は二次体の類数の非可除性の問題と密接に関係していて、問題(2)は二次体の類数の可除性の問題と関連している。問題(1)に関しては、部分的に肯定的な結果が得られた。問題(2)に関しては、与えられた奇素数pに対して、岩澤λp不変量が1となる虚二次体を少なくとも一つ具体的に構成することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した当初は二次体の類数の可除性のみを研究する予定であったが、実際には二次体の類数の非可除性や岩澤不変量の研究にも取り組むことができ、両方の分野で成果をあげることができたため。二次体の類数の可除性と非可除性の両方のテーマに取り組むことで、新たな研究課題も見出すことができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策としては、二次体の類数の可除性・非可除性と岩澤不変量に関する研究をさらに進展させることを挙げる。昨年度は主に、岩澤λ不変量が1となる虚二次体の個数評価に関するlower boundについて研究を行ったが、今年度は個数評価に関するupper boundについての研究に取り組みたい。「条件を満たす二次体が無限に存在するか?」という問題の考察から「条件を満たす二次体がどのくらい存在するか?」と真のオーダーを求める問題の考察へと研究を進展させたいと考えている。また、実二次体の類数の非可除性と岩澤λ不変量に関する研究を昨年度から行っているが、この研究での未解決部分に取り組むことも計画している。
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Report
(2 results)
Research Products
(17 results)