Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2012: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
|
Research Abstract |
研究課題に対する成果の要点は以下のようにまとめられる.まず,本研究課題は,EU共通農業政策下におけるフランス山間地域農業の構造変化を明らかにすることによって達成されると考え,山地農家の経営戦略,経営変遷,農業政策の複合的な関係分析に着目することで,フランス山間地域農業の多面的機能に関わる政策と農家との関係を動態的に解明してきた.調査にあたっては,フランスにおける条件不利地域を統計から整理し,山間地域ごとの農業・自然・社会条件の差異をまず明確にし,政策による介入が特に強いと判断されるマッシフ・サントラル南東部を調査地域として選定した.そして,フランスとヨーロッパにおける政策変遷を,「林野政策期」,「生産拡大農政期」,「生産抑制農政期」,「環境重視農政期」の四期に区分したうえで,その変化と構造的特質を明らかにした. 事例研究では,マッシフ・サントラルの中でも農業への依存が高く,多様な農業経営形態が存在するオーベルニュ地域圏のメザン地域を取り上げた.各農家の経営戦略として,生産物販路や農業収入の組合せ,農産品のブランド化や補助金収入を分析し,さらに経営基盤としての地域的な社会条件や泊然条件について考察した.さらに,経営変遷の分析では,メザン地域の農家が政策によって分化と複合化を繰り返してきたことを明らかにし,その背景にある農家の世代交代や経営主の意思決定,フランス農業者の定年制度やオーベルニュ農家の保守性について議論した.フランス山間地域農家の農業収入は補助金に大きく依存しており,それらは単一支払いに加えて,条件不利地域支払いや環境支払いといった農業の多面的機能に関わる助成が経営を支えていた.しかし一方で,これら補助金の受給要件である環境遵守事項は,農家に対して負担を増加させ,生産意欲の減退や,国家や政策に対する反発を招いていることも明らかとなった.
|