Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Research Abstract |
研究課題である『細菌感染によるオートファジーの細胞死制御機構の解析とその生理的役割』について,以下の成果を挙げた. 当該研究室ではすでに,細胞侵入能を欠失したA群レンサ球菌株を感染させた上皮細胞では細胞死が誘導されないことを報告している.そこで,細胞内へ侵入できるが,エンドソーム膜を破壊できず細胞質へ移行できない菌株(SLO欠損株)を用いて感染実験を行ったところ,この菌株の感染では細胞死とオートファジーの両方がほとんど誘導されなかった.次に,オートファジーの誘導に必須なAtg5遺伝子を欠損させた細胞に本菌の野生株を感染させたところ,細胞死の誘導は顕著に抑制された.以上より,細胞死とオートファジーの双方の誘導に本菌の細胞質への移行が重要である事,また細胞死の誘導にオートファジーが関連している事が明らかとなった.次にオートファジーと細胞死の双方の誘導に関わる分子として,細胞死制御因子であるBclファミリー分子群に着目し解析を行った.これまでに,Bclファミリー分子の1つで細胞死の抑制に携わるBcl-2の強発現細胞においては,生理的なオートファジーの誘導が抑制されることが報告されている.しかしながら,本研究ではBcl-2の強発現によって,本菌の感染による細胞死の誘導は抑制されたが,オートファジーの誘導は抑制されなかった.一方で,Bcl-2と同じ細胞死抑制因子であるBcl-xLの強発現細胞では,細胞死とオートファジーの両者が抑制された.以上より, Bcl-xLが細胞死とオートファジーの両者を制御する『司令塔』として機能している事が示唆された.
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