Project/Area Number |
10J00849
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Algebra
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Research Institution | Osaka University (2012) The University of Tokyo (2010-2011) |
Principal Investigator |
大川 新之介 大阪大学, 大学院・理学研究科, 講師
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Project Period (FY) |
2010 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2012: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 導来圏 / 半直交分解 / 例外対象 / quiver / 非可換射影平面 / Mori dream space / variety of Fano type / Variety of Calabi-Yau type / Cox ring / Geometric invariant theory / Okounkov body |
Research Abstract |
本年度は、主に射影代数多様体の連接層の導来圏の半直交分解について研究を行った。 一つ目の成果としては、極小モデルプログラム(MMP)と半直交分解(SOD)との関連について新しい視点を与える結果が得られた。これは、従来知られていた「MMPはSODを引き起こす」という予想の逆が或る場合に成立する、という結果である。第一に、標準線型系の固定点集合が有限なものについてはその導来圏がSODを持たないということを証明した。さらに問題を2次元の場合に詳しく調べ、より弱く、極小かつ標準線型系が空でないという仮定だけで同じ結論が得られるということを(一般型の場合を除いて)証明した。これらについて現在プレプリントを作成中である。また、これらの成果について研究集会にて4度発表をした。尚、研究の途中でSODがある種の圏同値に関して剛性を持つということを証明した。これは今回の研究で重要な役割を果たしたが、他の応用も期待できると思っている。 半直交分解の特別な例として、例外対象と呼ばれるものから引き起こされるものがある。これは小平次元が負の多様体上で多く見つかるのであるが、これに関して興味をそそる例が構成できた。具体的には、5次元以上のtoric Fano多様体上の例外対象であって、層のシフトと同型にならないものが構成できた。このような例は2次元Fano多様体上では存在しないことが知られており、高次元では状況がより複雑であるということを示唆する。3,4次元の場合にこのような例が作れるか、という問題も興味深い。 さらに、射影平面の非可換変形についても研究をした。Hochschild cohomology群の計算から変形は障害を持たず、さらに10次元あることが期待される。これを、Beilinson quiverのrelationを変形するという観点から調べた。その結果、対応するGIT問題に本質的に安定性条件が唯一存在することや、それについて射影平面が半安定であることを証明できた。これらの成果についてはプレプリントを作成中である。
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