メチル水銀によるタンパク質の翻訳後修飾で生じる神経疾患
Project/Area Number |
10J00932
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Environmental pharmacy
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
外山 喬士 筑波大学, 医学医療系, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2010 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | UCH-L1 / メチル水銀 / ユビキチン / 神経変性疾患 / LC/MS / パーキンソン病 / 不溶化 / MALDI-TOF/MS |
Research Abstract |
本研究は、メチル水銀(MeHg)によるユビキチンC末端加水分解酵素L1(UCH-L1)の機能破綻及による神経障害への関与を、分子、細胞から個体レベルで解明を目指したものである。本年度は、MeHgによるタンパク質の翻訳後修飾(S-水銀化)によるUCH-L1の機能破綻のメカニズムを解明したのみに留まらず、それに付随する新たな知見を得ることができた。これは更なる研究の展開に貢献するものである。本年度に得られた成果を下記の通りである。 1. MeHgを曝露した細胞のタンパク質を二次元電気泳動により展開後3mm角のセグメントに分け、ゲル中の水銀濃度を網羅的に測定し、MeHg標的タンパク質をLC/MSにより同定する手法を確立した(Mercuromics解析)。本結果から、UCH-L1はSH-SY5Y細胞中で最もS-水銀化を受けやすいタンパク質の一つであることが示された。 2. モノユビキチンとUCH-L1とのアフィニティーは、MeHgの結合によって顕著に減少した。本結果は、UCH-L1に対するMeHgの結合が、細胞内ユビキチンプールの減少の一因であることを示す。 3. S-水銀化を抑制する生体内因子である硫化水素をSH-SY5Y細胞に処理することで、MeHgによるUCH-L1の機能破綻が抑制せれた。またGSHによってUCH-L1のS-水銀化は解除できることをMALDI-TOF/MSにより明らかにした。 上記知見を前年度の成果と合わせると、UCH-L1はMeHgによるS-水銀化の標的分子であり、Cys151のS-水銀化によって、細胞内およびラット脳中のユビキチン制御系を破綻させることが明らかとなった。またこれらは、生体内の硫化水素やGSH量を制御することで防御できることが示唆された。本成果は、MeHgに起因する神経変性疾患の機構および予防法を模索する上で重要な知見だろう。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)