Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2011: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
本研究では,高選択性,環境低負荷,高汎用性などの特長を有する,不均一系触媒を用いた精密重合開始剤系の開発を目的としている。昨年度,酸化鉄(FeO,Fe_3O_4)を不均一系触媒として用い,DMF/トルエンなどの溶媒中,適切な炭素-臭素結合型開始剤を組み合わせることで,ビニルモノマーの制御/リビングラジカル重合が進行することを新たに見出した。今年度も引き続き,酸化鉄を触媒として用いる系について,さまざまな添加物が重合制御に及ぼす効果や触媒の再使用,触媒作用の機構などに関する検討を行った。 ホスフィンやアミン,第四級オニウム塩などのさまざまな添加物を用いて,FeOあるいはFe_3O_4によるスチレンあるいはメタクリル酸メチルの重合を検討したところ,FeOの場合にはn-Bu_4NBrやn-Bu_4PBrなどの臭化テトラアルキルオニウム塩,Fe_3O_4の場合にはPh3Pを用いた場合に特に分子量分布の比較的狭いポリマーが生成し,重合がより制御されることがわかった。重合制御には適切な溶媒を用いることも重要であり,Fe_3O_4Ph_3P系によるスチレンの重合においてDMF/トルエン混合溶媒の量比の効果を詳細に検討したところ,DMFが少ないほど生長末端の炭素-臭素結合が副反応を起こしにくく,重合が定量的に進行し,制御も良いことがわかった。一方でトルエンのみを溶媒とした場合には重合は定量的に進行しなかった。 酸化鉄の触媒作用に関しては,撹拌が重合速度に及ぼす影響や,重合途中での酸化鉄除去に伴う失活化などから,酸化鉄表面が重合中常に炭素-臭素結合の開裂による生長ラジカルの生成に関与していると考えられる。 また,重合後にFeOは遠心分離,Fe_3O_4は磁石を用いて集めることによって回収し,空気下での洗浄,減圧乾燥という比較的簡便な手法により重合触媒としての再使用が可能であることがわかった。
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