自己エネルギー汎関数理論に基づく種々の低次元強相関系の数値的研究
Project/Area Number |
10J00958
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
物性Ⅱ(磁性・金属・低温)(理論)
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
関 和弘 千葉大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2010 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2012: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 自己エネルギー汎関数理論 / 変分クラスター近似 / ハニカム格子 / 金属絶縁体転移 / ハバード模型 / 励起子絶縁体 / BCS-BECクロスオーバー / 角度分解光電子分光 / 強相関電子系 / 銅酸化物高温超伝導体 / d-p模型 / Hubbard模型 / waterfall現象 / 自己エネルギー / フェルミ面 |
Research Abstract |
1.電子の分散関係が線形となるディラックコーンに電子相関効果が加わったときの一粒子励起ギャップおよび反強磁性転移の振る舞いを、ハニカム格子ハバード模型に変分クラスター近似(VCA)を適用して解析した。本研究では任意の大きさの電子間相互作用で一粒子励起ギャップが開くという結果を得た。この問題はグラフェンで実現しているとされる線形分散が電子相関効果に対してどの程度強固に存在し続けるかということにつながる重要な問題である。一方でグラフェンでは電子―ホール対称性を持つハニカム格子ババード模型が実現しているとは言えず、本研究の結果とグラフェンでの線形分散の存在を直ちに結びつけることは出来ないことにも留意すべきである。 2.擬一次元構造を持つTa2NiSe5は、強く束縛された電子―ホール対(励起子)が自発的に形成しボース凝縮することで絶縁体となる励起子ボース凝縮絶縁体の候補物質である。このことを理論的に検証するには、有限温度における励起子の形成による擬ギャップの存在等、転移温度以上の電子状態を検証する必要がある。そこでVCAを有限温度に拡張し、擬一次拡張Falicov-Kimball模型の一粒子励起スペクトルや秩序変数の温度依存性を詳細に解析した。その結果、励起子の形成により転移温度以上でもギャップが開き、価電子帯トップの分散がフラットになることを計算により再現した。この結果はTa2NiSe5における励起子ボース凝縮絶縁体の実現を支持している。 3.二次元スピン非対称Hubbard模型の強相関領域を対象として、スピン液体相に対する幾何学的フラストレーション及びスピン空間における量子揺らぎの抑制(スピン空間におけるIsing異方性)効果を研究し、二次元非対称Hubbard模型の磁気相図を完成させた。量子揺らぎの強い領域から、量子揺らぎの無い古典Ising模型までの磁気相図の繋がりを明らかにした点で意義がある。
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Report
(3 results)
Research Products
(28 results)