Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2012: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Research Abstract |
運動透明視の解明は,動きから立体構造を認知する視覚認知機能を知る上で重要な課題である.運動透明視のような高次脳機能を含む皮質活動の時空間特性を明らかにするには,複数のモダリティによる脳機能イメージングを統合的に用いることが重要である.本研究で取り組んでいる,時間分解能に優れる脳磁図(MEG)に加え空間分解能に優れる機能的磁気共鳴画像(fMRI)の情報を用いるMEG-fMRI統合解析の問題点として,個人差の影響のある結果の解釈の難しさが挙げられる.1,2年目では,この個人差の影響を排するために,fMRIのデータについてグループ解析を行い,被験者共通の運動透明視に関連する皮質部位を特定し,その部位を賦活クラスターとして統合解析の計算に用いる手法を提案した.本年度はこの提案手法の有用性を調べるために,脳活動の良く知られた視覚誘導性サッカードのMEG,fMRIデータについて提案手法を適用し,サッカードに関わる皮質活動の時空間特性を明らかにした.統合解析の結果,ヒトの眼球運動に関わる前頭眼野と呼ばれる部位で,サッカードニューロンと固視ニューロンの活動を反映したものであると考えられる皮質活動は確認された.これらの結果より,提案手法は被験者共通に見られる皮質活動の高時空間分解能な推定法として有用性のある手法であると実験的に確認した.この統合解析によるサッカード研究は生体医工学シンポジウム2012で発表し,論文誌Advanced Biomedical Engineeringに採録された。また,運動透明視の皮質活動のダイナミクスを調べるために同手法を用い,運動透明刺激に誘発される初期の眼球運動とそれに付随する視覚連合野,頭頂間溝,第五次視覚野,外側後頭皮質の神経活動が運動透明視の奥行き決定処理にとって重要な役割を担っていることが示唆される統合解析結果が得られた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高次脳機能を含む被験者共通の皮質活動の時空間特性を明らかにするために,MEG-fMRI統合解析を提案し,視覚誘導性サッカード実験のMEG,fMRIデータに適応することで,サッカードに関連する脳活動を高時空間分解能なイメージングに成功しており,実験的に提案手法の有用性を示すことができた.また、提案手法を用いることで運動透明視の奥行き決定に関わる皮質活動の時空間特性に関する新知見を得ており,研究は進展していると判断した.尚,本課題は平成24年度が最終年度である.
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