Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2012: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Research Abstract |
本研究の目的は、気孔密度の環境応答における、新規経路を同定、および、遺伝子STOMAGENの役割の解明である。既に前年度の時点で,培地へのsucroseの添加が葉の気孔の密度を上昇させる,という新規な知見が得られている.Sucroseは光合成産物として生じる糖であることから,「気孔密度制御のメカニズムに,今まで知られていなかった光合成産物依存的な経路が存在する」という仮説が導かれたため,この検証をおこなった. 本年度は,(i)sucroseによる気孔分化の誘導機能の普遍性の解析,(ii)STOMAGENを含む既知の気孔分化関与遺伝子へのsucroseへの影響の二つの視点で解析を行った. (i) Sucroseの誘導体の培地への添加が気孔密度への影響を調べたところ,fructoseとglucoseでもsucroseと同様の効果がみられた.一方,植物に利用されない糖であるsorbitolとmannitolでは気孔密度を正に制御する効果はみられなかった.次に,sucroseはダイズ(品種タチナガハ)の気孔分化を誘導するかを調べたところ,シロイヌナズナでは気孔分化誘導活性がみられる50mMではダイズの成長促進は見られたものの,気孔密度の上昇は見られなかった. (ii) STOMAGEN遺伝子の発現抑制株と,TMM遺伝子変異株に対してsucroseを添加する実験を行ったところ,どちらにおいても優位な気孔密度の上昇がみられた.したがって,遺伝学的にSTOMAGEN,TMMとは異なる経路でsucroseが機能しうることが示された. 以上により、sucroseによる気孔分化の誘導活性は種特異的であることと,シロイヌナズナの気孔分化においてはsucrose依存的なTMMを介さない新規経路が存在することが示唆された.
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