Project/Area Number |
10J02194
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Resource conservation science
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐藤 拓哉 京都大学, フィールド科学教育研究センター, 特別研究員SPD
|
Project Period (FY) |
2010 – 2012
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
|
Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2010: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
|
Keywords | 森林-河川生態系 / 寄生者 / 生態系機能 / 異地性流入 / ハリガネムシ類 / 線虫類 / サケ科魚類 / 栄養カスケード |
Research Abstract |
研究計画に従って、(1)寄生者が輸送する森林資源に関する広域調査、および(2)大規模野外操作実験を円滑に実施することができた。また、京都大学理学部の渡辺勝敏准教授との共同研究として、(3)寄生者(ハリガネムシ類)の種多様性を遺伝子分析によって明らかにした。 (1)については、大学演習林・研究林、あるいは各地の個人研究者の協力を得て、寄生者が輸送する森林資源という生態現象が日本全国で普遍的に生じていることを明らかにした。 (2)については、フィールド科学研究センター和歌山研究林に長期滞在して大規模野外操作実験を実施し、寄生者による森林資源の輸送が、魚類による底生生物群集・生態系機能のトップダウン制御を改変することを明らかにした。これは、寄生者が生物群集/生態系レベルでも生態学的役割をもちうることを実証する世界でも初めての研究例である。 (3)については、京都大学理学部の渡辺勝敏准教授の協力のもと、紀伊半島周辺の渓流において採集したハリガネムシ類の遺伝子分析を行った。その結果、紀伊半島という比較的狭い地理的スケールにおいても、ハリガネムシ類が高度に種分化していることが明らかとなった。また、ハリガネムシ類と考えて分析したサンプルの中から、高度に種分化した線虫類が確認された。これらの結果は、従来考えられていたよりも多様な種あるいは分類群の寄生者(ハリガネムシ類と線虫類)が、森林と河川の生態系をつなぐ役割を果たしていることを示唆する。
|