高分子ステント法による、超高強度ダブルネットワークゲルの高強度化手法の一般化
Project/Area Number |
10J02317
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Functional materials chemistry
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中島 祐 北海道大学, 大学院・先端生命科学研究院, 助教
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Project Period (FY) |
2010 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 高分子化学 / 材料科学 / 高分子ゲル / 高強度ゲル / 高機能ゲル / 一般化 / 高分子電解質 / 異方性ゲル |
Research Abstract |
昨年度は本分子ステント法の基礎技術を確立し、あらゆる親水性ポリマーから高強度St-DNゲルが創成可能であることを示した。そこで本年度は、本方法を様々な系へと拡張し、新規機能性高強度ゲルの開発を目指した。最初に、疎水性高分子を1st networkとした高強度ハイドロゲルの創製を行った。本ゲルは、一般的なDNゲルと同様に高い強度を示した他、ハイドロゲルでありながら水に対する高い接触角(80°)を示した。次に、配向高分子フィルムを作製し、これを1st networkに用いることで、物性に異方性のあるSt-DNゲルを合成した。本ゲルは、配向フィルムの構造を反映し、一軸に膨潤する、一方向のみに引き裂き可能などの興味深い新規物性を示した。以上より、疎水性高分子を基にした新規機能性DNゲルの開発に成功した。本結果は、DNゲルの高強度化手法を更に拡張し、従来は実現できなかった機能を発現させたという点で画期的である。また、ステントによるゲル膨潤挙動の理論的な考察を行った。中性ゲルに強電解質高分子(ステント)を導入すると、ステントの持つ高い浸透圧のためにゲルは膨潤する。ステント濃度が0.5Mに達するまでは、ゲルの膨潤挙動は一般的なゲル膨潤理論で説明可能であった。一方、ステント濃度が0.5M以上になると、ゲルの実際の膨潤度は理論値を下回った。本現象は、ステント濃度が大きい時、1st networkゲルの分子鎖の伸び切りが起こっていることを示している。また、本ゲルを基にSt-DNゲルを合成したところ、ステント濃度が0.5M以下の場合、ゲルの力学強度はステント濃度の増加に伴って大きくなるが、0.5M以上ではほぼ同じであった。ここから、St-DNゲルは1st networkが伸び切っているときに高強度化されることが示唆された。以上の成果を基に、現在4編の論文を投稿、あるいは執筆中である。
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Report
(2 results)
Research Products
(13 results)