Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2011: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Research Abstract |
平成23年度は以下の3種類の研究を行った. (1)Torelli群の3次のコホモロジー群について(河澄響矢東大准教授との共同研究) (2)超楕円的単純特異レフシェッツ束の位相構造について(早野健太氏との共同研究) (3)超楕円写像類群におけるDehnツイストの安定交換子長について(Danny Calegariカリフォルニア工科大教授,門田直之氏との共同研究) (1)(2)(3)のいずれも,写像類群,および,それに関係する群の構造に関する研究である.(1)においては,写像類群の最も重要な部分群の1つであるTorelli群に関して,その3次コホモロジー類であるねじれ係数森田-Mumford類を調べた.特にこのコホモロジー類が自明であるならば,Torelli群の2次コホモロジー群の次元が無限次元であることを示した.(2)においては,超楕円的単純特異レフシェッツ束という4次元多様体のもつ曲面ファイバー構造に関して2種類の結果を得た.1つはこのファイバー構造には自然な対合作用が存在する,という結果である.もう1つは,この曲面ファイバー構造をもつ4次元多様体の符号数公式の記述である.以上の結果に関してプレプリント "Four-manifolds admitting hyperelliptic broken Lefschetz fibrations" arXiv:1110.0161 "A signature formula for hyperelliptic broken Lefschetz fibrations" arXiv:1110.5286 を発表した.また,単純特異レフシェッツ束は具体例すら多くは知られていなかったが,特に多くの具体例を得ることもできた.(3)については,超楕円的写像類群という写像類群の部分群において,Dehnツイストの安定交換子長の計算を行った.特に,球面の写像類群上の擬準同型を複数構成することにより,その値の下からの評価を得た,これに関するプレプリントは現在執筆中である,
|