Project/Area Number |
10J02444
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Applied health science
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
桑原 恵介 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2010 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 自律神経機能 / 食行動 / ストレス |
Research Abstract |
慢性ストレスが増加している現代社会においては、生体防御機構が破綻し、循環器疾患などの生活習慣病や、抑うつなどのメンタルヘルスに関する問題が増加している。短期的絶食は、自律神経性の調節機構を介して、生体のストレス状態を軽減する可能性が示唆されていたが、これまで、ヒトではその生理的機構について十分に明らかにされていなかった。平成23年度は、平成22年度に取り組んだ自律神経系の解析法の検討結果を受け、autoregressive modelを用いて自律神経系活動を分析することとし、食事摂取及び絶食による生体への影響、及びそのメカニズムの解明について取り組んだ。対象は健康な若年成人男性であり、食事摂取または絶食による自律神経機能、自律神経性の調節を受ける循環機能及び代謝機能への影響を、無作為クロスオーバーデザインによって評価した。実験開始に先立ち、対象者に対して、食習慣などの生活習慣、食物摂取状況、摂食障害傾向などについて質問紙調査を行った結果、いずれも異常は認められなかった。今回得られた主な結果については以下の通りである。食事摂取後において心拍数、1回拍出量、心拍出量の増加などの循環機能の亢進、及び酸素消費量、二酸化炭素排出量、消費エネルギー量の増加などの代謝機能の亢進が見られた。絶食では食事摂取と対比して心臓副交感神経系活動の減少はみられず、循環機能の亢進の程度は緩徐であり、代謝機能では減少がみられた。気分や疲労度などの心理指標においては、絶食群と食事摂取群間で有意な差は見られなかった。食事摂取群では、摂取後から空腹感が低下し、満腹感が上昇したが、絶食群では、食後に一致する時間帯において、空腹感は低下せず、満腹感は上昇しなかった。これらの結果から、循環・代謝機能の面からも、本研究で得られた自律神経系活動を支持する結果となった。今後は、高次脳機能との関連についてさらに検討を加える予定である。
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