メルロ=ポンティの哲学における意味の喪失と再生の関係性について
Project/Area Number |
10J02654
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Philosophy/Ethics
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
澤田 哲生 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2010 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 哲学 / 現象学 / ゲシュタルト心理学 / 精神病理学 / 精神分析 / メルロ=ポンティ / リシール / サルトル / 性 / 児童心理学 / ジョルジュ=アンリ・リュケ / マキシム・プリュドモー / 高次脳機能障害 / フッサール / モーリス・メルロ=ポンティ / クロード・シモン / 散文 / ジャン・レルミット / 空想 / 病理的現象 |
Research Abstract |
本報告書作成者は、平成24年度、日本学術振興会研究員(PD,22・2654)として、東京大学大学院総合文化研究科の原和之准教授の下で、研究活動に従事した。研究課題は、「メルロ=ポンティの哲学における意味と喪失の関係性について」である。このテーマは、平成22年度から継続中のテーマであり、今年度は研究期間の最終年度である。 今年度の最も重要な研究成果は、単著『メルロ=ポンティと病理の現象学』(人文書院、2012年)の出版である。著者(本報告書作成者)は、これまで学会誌、紀要、論文集で発表した論文をまとめ、加筆と修正を加え、単著として出版した。この研究成果により、当初の研究テーマであった、メルロ=ポンティの現象学における病理の位置づけとその治癒との関係が明らかにされた。 哲学領域では、今日、病理学や医学領域との共同研究が盛んに行われている。しかしながら、医学領域の諸現象(疾病、看護、等々)に哲学の概念を応用することで発生する問題は、決して少なくない。ある時は、哲学の概念が医学用語に取り込まれ、当の概念を使用する根拠が失われる。他方で、哲学の概念を過度に強調することで、医学領域で実際に起こっている事象に関わる説明は、抽象的となる。今年度に出版した単著は、哲学領域と医学領域の双方がフィードバックを提供できる条件を提示した。 他方で、単著の出版後に、本報告書作成者は、現代のヨーロッパで最も注目されているマルク・リシールの現象学と病理論についての研究を開始した。現象学のみならず精神病理学や精神分析にも深い見識を持つリシールの思想を研究することで、病理的な現象が哲学に新たな概念を提供する可能性があることを提示した。 以上が今年度に実施した研究の意義であり、重要性である。
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Report
(3 results)
Research Products
(26 results)