Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2012: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Research Abstract |
[1]水路網の形成・発達に及ぼす主要因を抽出する目的で,潮汐周期,振幅,領域長などのパラメータを変化させた異なる水理条件下における実験を行い,水路網形成に対する水理パラメータ依存性について検討した.水路網の形成・発達を定性的に評価することで,その形成過程に関する考察を行うと共に,Horton則による水路網形状定量化手法により,水路数といった水路網の形状特性に関する検討を行った.得られた結論を以下に列挙する.1)潮汐による流れが強いほど,水路網が形成されづらい一方,相対的に流れが弱い場合は細かな水路が発達し,一水路網が複雑となることが示唆された.2)水路化には侵食と堆積の両方が重要であるが,両者の物理メカニズムは異なる可能性がある.3)位数1の水路の確率密度分布形状より,位数1の水路の長さスケールは潮汐周期が長くなるほど小さくなる傾向にある.また,時間の経過と共に確率密度分布はその形状を変化させる. [2]異なる水理条件の下で実施された室内実験により得られる水路網形状の相違を生み出す要因について簡易的な数学モデルを用いて考察を行った.一定勾配である単純地形及び規則的な潮汐を想定し,この条件における流れ一地形変動を簡易に表現可能な数学的モデルを構築した,このモデルから地形変動を表す方程式が移流拡散型の方程式を導出し,この方程式から導出される移流拡散度合いの比を表すパラメータ,ペクレ数を定義した.このペクレ数を各実験ケースで求めて結果と比較し,以下の結論を得た.1)岸沖方向のペクレ数が大きい場合,水路が直線する一方,小さい実験では水路が蛇行する傾向が見られた.2)横断方向の移流拡散の度合いを表すパラメータが小さい領域では,水路網が形成されず,大きい領域では複雑な水路網が形成される傾向がある.これは,横断方向の拡散の影響が強い場合,不安定な成分である水路が拡散するためと考えられる.
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