Project/Area Number |
10J02799
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Polymer chemistry
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
北浦 敦志 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2010 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 立体規則性 / ポリメタクリル酸メチル / らせん構造 / 光学活性 / フラーレン / 誘起円二色性 / 高次フラーレン / 光学分割 |
Research Abstract |
水素結合や疎水性相互作用、静電相互作用といった非共有結合を駆動力とし、複数の分子から複雑な集合体の構築を目指す超分子化学において、内部に空孔を有するらせん分子は、複合体創製のためのホスト分子として有用であると期待され、注目を集めている。立体規則性が制御されたシンジオタクチックポリメタクリル酸メチル(st-PMMA)は、トルエンなどの溶媒分子を取り込んで、直径が約1nmの内孔を有するらせん構造を形成し、ゲル化する。本研究では、st-PMMAのらせん空孔内へのゲスト分子の包接と、包接されたゲスト分子の反応について検討を行った。 st-PMMAに9-メチルアントラセン(MA)のトルエン溶液を添加し、加熱・冷却することによりst-PMMAゲルを調製した。ゲルから溶媒を完全に除去したフィルムを調製し、その示差走査熱量測定およびX線回折測定を行ったところ、st-PMMAがらせん空孔内にMAを包接し、複合体を形成していることが明らかとなった。そこで次に、複合体に内包されたMAの光二量化反応を試みた。得られた複合体フィルムに光照射を行った後、重クロロホルムに溶解させNMRスペクトルを測定したところ、二量体の生成が確認できた。このとき生成した二量体の位置異性体を見積もりたところ、らせん空孔を有さないit-PMMAとMAを混合させて調整したフィルム中で反応させた場合と比べ、大きな変化は見られなかった。このことは、本手法に従いらせん空孔に包接されたMAの配列は、光二量化反応には大きな影響を及ぼさないことを示している。また、光学活性な1-フェニルエチルアミンを用いて合成した一方向巻きのらせん構造を有するst-PMMAゲルに、MAのトルエン溶液を添加し、乾燥させることによりフィルムを調製した。得られたフィルムの円二色性スペクトルを測定したところ、MAの吸収領域に誘起円二色性が観測された。このことから、st-PMMAに誘起された一方向巻きのらせん構造は、乾燥してフィルムになったのちも保持されることが明らかになった。
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