Project/Area Number |
10J02855
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Structural biochemistry
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
伊吹 達也 大阪大学, 大学院・生命機能研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | べん毛 / 蛋白質輸送 / FliJ / FliI / F1-ATPase / γサブユニット |
Research Abstract |
べん毛の軸構成蛋白質は基部体直下に存在し、9種類の蛋白質から構成されるIII型輸送装置によってATP加水分解エネルギーとプロトン駆動力を使って細胞内から細胞外へと輸送される。これまでにATPase活性を持つFliIと研究代表者が明らかとしたFliJの構造は、それぞれがF_1-ATPaseのα/βサブユニットおよびγサブユニットと酷似した構造を持つことが分かっている。そこで本研究では、輸送装置を構成するFliIとFliJに焦点を当て、べん毛ATPase複合体であるFliIリング-FliJ複合体の構造解析やFliJまたは他のべん毛蛋白質存在下におけるFliIのATPase活性やリング形成などを調べることにより、蛋白質輸送とATP加水分解反応の共役機構の解明を目指した。 電子顕微鏡による複合体の観察と生化学的な解析から、FliJはFliIのリング形成とATPase活性に大きく影響すること、さらには、実際にF_1部分と同様のFliI_6 FliJ複合体を形成することを極低温電子顕微鏡による画像解析から明らかにした。そしてFliJの変異体解析により、FliJが輸送ゲートを構成するFlhAと結合領域を見いだし、FliI_6 FliJ複合体はFlhAと結合することでより強いATPase活性を発揮すること、つまりFliIのATPase活性は輸送ゲート直下でATPase複合体が出来たときに強い活性を発揮することが分かった。これらの成果から、べん毛タンパク質輸送装置がF型ATP合成酵素と類似の機構によりタンパク質輸送を行っていることが明らかとなり、III型蛋白質輸送の分子メカニズムの解明に大きく貢献できたと考えられる。
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