Project/Area Number |
10J02947
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
森林科学
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Research Institution | University of the Ryukyus (2011) Kyushu University (2010) |
Principal Investigator |
楠本 聞太郎 琉球大学, 理学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2010 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 階層ベイズモデル / 機能特性 / リターフォール / 沖縄 / 亜熱帯林 / 常緑樹林 / よじ登り様式 / 空間分布 / ツル植物 / 地形 / 森林構造 |
Research Abstract |
本研究では、ツル植物が森林生態系の構造と機能に果たす役割を、種特性及び空間スケールと関連付けて明らかにすることを目的として、沖縄島北部地域の亜熱帯林において、ツル植物の空間分布、種の機能特性、生態系機能への影響を調査した。 ツル植物の群集集合パターンを規定する環境要因を解明するために、統計モデルによる種ベースでの空間分布解析を行った。物理的要因として、地形の起伏量、傾斜角度を考慮した。生物的要因として、林冠木の種数、本数、胸高断面積を考慮した。この解析によって、調査地におけるツル植物の群集集合パターンは、地形の起伏によって強く規定されていることが明らかになった。 ツル植物の環境要因に対する分布応答の種差を生み出す要因を明らかにするために、ツル植物の機能特性調査を行った。機能特性としては、葉の物質生産機能にかかわる特性(葉面積、葉中窒素濃度)、植物体の支持コストや寿命にかかわる特性(材密度、よじ登り様式、サイズ、萌芽率)に着目した。種ごとの機能特性と分布特性を比較した結果、葉面積が大きく、窒素濃度の高い葉を持つ種ほど、分布が凹地に制限される傾向がみられた。 リターフォール(落葉・落枝)を指標として、ツル植物種ごとの生態系機能への影響を定量した。ツル植物が森林生態系機能に及ぼす影響のパターン(規模と強度)と、種ごとの分布特性、機能特性との関係を検証した。沖縄島北部の亜熱帯林においては、地形傾度による環境フィルター効果によって、種の物質生産特性に対応した空間パターンが形成されており、リターフォール生産に対する影響力の強い種は局所的にしか分布せず、一方で広域に分布する種は影響力の小さいことが明らかになった。
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