酸化-乾燥ストレス交差耐性に関するイネ遺伝子資源の探索と圃場条件下での有用性評価
Project/Area Number |
10J03046
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Crop science/Weed science
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
井関 洸太朗 京都大学, 農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2010 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | イネ / 酸化ストレス / 乾燥ストレス / クロロフィル蛍光 / 光阻害 |
Research Abstract |
昨年までの研究により,栽培イネ(O. sativa)は酸化ストレス耐性の種内多様性が大きいこと,また圃場環境下でも土壌水分状態により酸化障害程度に違いが生じることが分かった.そこで本年度では(1)複数環境下での酸化障害の定量的把握および品種間差の確認を引き続き行うとともに,(2)圃場における長期間の穏やかな乾燥により誘導される順化応答がイネの光合成活性および生長に及ぼす影響を調査した. (1)圃場環境下での酸化障害発生の定量的把握および品種間差 3年,5環境の圃場試験において,非湛水条件では気孔伝導度が低下し,地上部の生長が阻害された.光合成量子収率は非湛水条件で有意に低下したが,天水田で起こる程度の比較的穏やかな土壌乾燥では細胞膜酸化障害は植物の応答により十分に制御されていた.しかし,簡易評価による酸化ストレス耐性品種は感受性品種に比べて地上部の生長阻害が抑制された.量子収率の低い品種は低光強度での光合成速度が他よりも低い.このことから,蛍光測定を利用した比較的簡便な手法で評価できる酸化ストレス耐性は実際の乾燥ストレス下にある圃場環境でも生長に関わる形質として応用が期待できる. (2)乾燥順化による光合成系の変化および酸化障害との関係 乾燥順化がその後の強い乾燥ストレス条件下での光合成系に及ぼす影響についてポット実験を行なった.順化個体では非順化個体よりも気孔伝導度が低く,葉内CO_2濃度の低下から光呼吸速度が増加していた.光呼吸は酸化障害軽減のための過剰エネルギー消去機構であり,順化個体では非順化個体でみられた炭酸固定回路の活性低下が抑制されていた.地上部生長量は順化個体で非順化個体よりも大きかった.乾燥順化は強いストレス条件下での生長速度維持になんらかの形で寄与していると考えられ,耕種的にストレス耐性を付与する技術として活用できる.
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)