Project/Area Number |
10J03130
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Linguistics
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
久保田 ひろい 千葉大学, 大学院・融合科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2010 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2012: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 語尾上げ口調 / 韻律情報 / 非言語情報 / 語用論 / 相互行為 / 共有基盤 / 談話構造 / 視点の操作 / 会話分析 |
Research Abstract |
本研究では、英語発話に見られる"語尾上げ口調(High rising terminals:以下HRT)"の多用の拡大という言語現象を対象とし、その機能を解明することを目的とする。 1.映像資料への非言語情報および韻律のラベリング作業 統計的な分析に向けデータ量を増やすため、昨年度に引き続き、収集したチュートリアル形式の説明談話の映像資料に対し、動画編集ソフト上で、動作・視線・句末音調のラベリングを行った。 2.節・発話・談話情報のラベリング作業 1.で統語的・語用論的境界によって分割した「発話」をさらに、韻律的境界で「節」に分割し、発話と節の関係性を表現するために、それぞれにIDを付与した。さらに談話構造との関係性も変数として取り入れるために、談話境界の認定を行い、談話IDも追加した。これによりどの発話がいくつの節から構成され、どの談話のどの位置にあるのかというような情報を分析に取り入れられるようにした。 3.データベースの分析 1.2.により作成したデータベースを用い、昨年度の事例分析で示唆された「新しいトピックへの移行段階でのHRTの生起とそれに同期する指さし、視線の切り替え」という傾向を統計的に検討した。これにより、HRTの生起はそれぞれの工程の冒頭部に集中し、多くの場合、指さし、視線の切り替えという順番で生じていることが確認された。また、上記の結果について「視点の操作」という観点から考察を行った。新情報を導入する際に、視線と指さしによって聞き手との間に視覚の共有状態を作り出した上で、それを共有基盤に追加したという確認の合図としてHRTのような音調が使用されているだけでなく、非言語情報・発話・それに伴う韻律が協働して新たな工程へ移行する場面が定型化されることにより、結果として全体の談話の構造化が促されていると考えられる。
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