低い磁場で駆動する高加工性Ni基メタ磁性形状記憶合金の開発
Project/Area Number |
10J03306
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Structural/Functional materials
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
伊東 航 Tohoku University, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2010 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2011: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 強磁性形状記憶合金 / メタ磁性形状記憶合金 / マルテンサイト変態 / ホイスラー合金 / 規則-不規則変態 / 磁気変態 / 変態エントロピー変化 / 磁気モーメント |
Research Abstract |
本研究の目的は、申請者らが見出したNi-Mn-X(X=In, Sn, Al)基合金を中心に、低い磁場で磁場誘起変態が発現し、高加工性を有するメタ磁性形状記憶合金を開発することである。クラジウス-クラペイロンの関係式より、磁場誘起変態の発現には母相とマルテンサイト相の磁化の差ΔMが大きいことが必要であるため、両相の磁性の起源や詳細についての情報が切望されている。そこで、本年度はNiMnZ(Z=In,Sn)3元合金およびNiCoMnZ(Z=In,Sn)合金のキュリー温度と磁気モーメントの組成依存性について系統的な調査を行った。 Ni_<50-x>Co_xMn_<50-y>Sn_y合金のキュリー温度は、Co置換量xの増加に伴い直線的に上昇した。同合金の磁気モーメントは、y>20ではKanomataらの先行報告と同様にSn濃度の低下に伴い直線的な減少を示したが、y<20では増加に転じた。このような凹型の特異な磁気モーメントの組成依存性は、Co濃度の上昇に伴って薄れていき、8Co-ySn合金は5Co-yIn合金と類似の直線的な組成依存性になった。この結果は、Ni_<50>Mn_<50>合金における準安定B2相の磁気モーメントが約4.5μ_B/f.u.の非常に大きな値であることを強く示唆する。また、この現象はMn-Mn原子間距離およびMn原子の最隣接位置に占めるCoおよびNi原子の存在確率によって考察できた。この結果は、第147回日本金属学会秋期大会で学会発表を行い、Applied Physics Letters 97巻に掲載された。 また、加工性の改善について、無加圧法で作製したNiCoMnSn焼結体を用いて調査した。焼結時間が長くなると気孔率は減少し、それと同時に加工性が向上した。一方で、気孔率が減少するのに伴って形状回復率が低下した。つまり、NiCoMnSn焼結体の加工性と形状回復率を両立させるには、適切な焼結時間を施す必要があることが明らかになった。この結果は、Scripta Materialia 63巻に掲載された。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)