氷点下温度域におけるクラスレート水和物―相平衡条件測定と結晶構造解析―
Project/Area Number |
10J03623
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Thermal engineering
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
安田 啓太 慶應義塾大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2010 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | クラスレート水和物 / ハイドレート / 氷床 / 気候変動調査 / 空気ハイドレート / アルコール / 国際研究者交流 |
Research Abstract |
本研究では空気ハイドレートおよび窒素ハイドレート生成系の相平衡条件を測定した。 南極やグリーンランドといった極地では積年降り積もった雪によって氷床と呼ばれる氷の層が形成されている。氷床の内部には雪が降り積もった当時の大気が保存されているため、氷床コアリングによって過去数十万年単位での気候変動を調査することができる。 氷床の一定の深さ以上の部分では氷と空気が反応することによって空気ハイドレートが生成することが知られている。ハイドレートとはクラスレート水和物の略語であり、水分子が水素結合によって構成する籠状の構造の内部にゲスト分子と呼ばれる水とは異なる物質の分子を包み込むことで作る氷上の結晶のことを指す。内部に包み込まれる物質の名称を頭につけて呼ぶのが一般的であり、例えばメタンをゲスト物質とするハイドレートはメタンハイドレートと呼ばれる。 空気ハイドレートは気候変動調査のための指標となるとともに、正確な年代測定の障壁となることが指摘されている。そのため、空気ハイドレートの物性・特性の把握が必要である。 本研究では空気ハイドレートの物性・特性のうち、氷床での空気ハイドレートおよび窒素ハイドレート生成条件に対応する相平衡条件(温度・圧力・組成)を測定した。 測定は氷床の温度域と対応するよう-30℃から0℃の範囲において行った。この温度域に対応する平衡圧力は6MPaから12MPaと測定された。 空気・窒素ハイドレート生成系の相平衡条件よりも低温・高圧でハイドレートは安定に存在する。そのため、氷床中で相平衡条件が達成される深度において空気ハイドレートの生成が開始することが予測される。本研究で測定した相平衡条件と報告されている空気ハイドレート生成領域との間には相関関係があり、おおむね相平衡条件と生成が開始する領域とが一致していた。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)