Project/Area Number |
10J03787
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Solid earth and planetary physics
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
長岡 央 早稲田大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2010 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2012: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 月隕石 / かぐやガンマ線分光計 / 化学組成 / 鉱物組成 / かぐや搭載ガンマ線分光計 |
Research Abstract |
平成24年度の研究実施状況について、平成24年度交付申請書に記載した研究実施計画に基づき報告する。 [月隕石分析・考察] 月隕石NWA 2200の化学組成・鉱物組成、そしてその岩石成因についてまとめた論文を国際誌Polar Scienceに投稿し、現在査読中である。 月裏側の斜長岩地殻由来とされる月隕石に含まれる大きな斜長岩石片に対して、光学顕微鏡、電子顕微鏡を用い、岩石構造を明らかにした。Electron probe miero analysis(EPMA)を用いて岩石片中の各主要鉱物の化学組成分析を実施した。得られた化学・鉱物組成データを基に、その化学的特徴を明らかにした。さらに、その化学的特徴や過去の同位体分析結果を基に、その形成過程について考察を行った。 [かぐやデータの結果と月隕石の分析結果を絡めた統合サイエンス] 月裏側由来の斜長岩石片の特徴、さらにその他月隕石に関する分析結果、アポロ計画回収試料の分析データと、「かぐや」データから導かれた月の元素分布地図、鉱物分布地図、地形図、年代地図などを比較することで、月裏側斜長岩地殻の地質的特徴を考察した。その研究成果についてはオーストラリアで開かれた国際学会75^<th> Annua Meeting of the Meteoritical Societyや韓国で開かれた2012 Conference of International Symposium on Remote Sensingにて口頭発表を行った。今回の分析結果と比較することで、アポロ試料の分析結果から導かれた既存の月地殻形成モデルでは、月裏側の地質的特徴を説明することが困難であることが分かった。本研究ではさらに月の表側と裏側の地殻に見られる二分性のメカニズムについて考察し、もっとも適当な形成過程モデルについて提案する。この研究成果については近日中に学術雑誌Earth and Planetary Science Lettersに投稿予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、月隕石に関する研究成果、かぐやデータの解析による研究成果ともに、予定通りの成果を出すことができ、当初から予定していた複数の国際学会等での口頭発表も行うことができ、その都度研究結果をまとめることができた。また当初の予定であった、月隕石の研究成果と遠隔探査の情報を統合的に結びつけた月斜長岩地殻の形成モデルについても考察を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の課題は、「月隕石の化学的情報と遠隔探査データを組み合わせた統合的理解から、新たな月地殻の進化モデルを提案する」ことである。本年度で、この研究課題について、私の見解をまとめることができ、複数の国際学会で口頭発表を行った。今後の方針は、まずこれらの研究成果を論文というかたちでまとめ、国際雑誌に投稿することである。さらに、本研究で培った技術や経験を次世代の月探査にむけて、いかせるよう研究に励み、さらに月以外の惑星探査にも応用できるよう、研究をすすめていく。
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