岩石のダメージと非線形粘弾性の効果を考慮した断層ダイナミクスの解明
Project/Area Number |
10J03866
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Geology
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川田 祐介 東京大学, 地震研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2010 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2011: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 非線形粘弾性 / 遷移挙動 / 非整数階微積分 / レオロジー / 動的すべり / 地震 / 非弾性空隙率 / すべり強化・すべり弱化 / 分数階微積分 / クリープ / べき乗則 / 粘弾性 / 複雑系 / 相互作用 / 緩和時間の分布関数 / 微分幾何学 |
Research Abstract |
断層震源域のメカニズム(地震時の動的すべりと空隙率発展との非線形相互作用),そして震源域と地表間の媒質である地殻物質の力学的挙動(非線形粘弾性挙動)について,非整数階微分を用いた理論展開・数値計算による解析を行い,これらの現象論的性質に関する新知見を得た. 1.動的すべりと空隙率発展の非線形相互作用 地震の動的すべりには流体が作用しており,すべりに伴う摩擦発熱や空隙率変化が流体を通じて動的すべりにそれぞれ正・負のフィードバック作用を与える,と考えられている.しかし,動的すべりのような高速すべり領域における空隙率の発展則はよく分かっていない.そこで,空隙率発展がすべり量の1から2階までの時間微分に依存する関係を仮定し,動的すべりの解析を行った.ここで,時間微分の階数は非整数にまで拡張し,すべりの履歴効果も表現できるようにした.結果,1から2階までの場合は滑るほど滑りが促進される「すべり弱化」の傾向を示すことが分かった.高速摩擦実験から,高速領域で空隙率発展が滑りの加速度に依存する関係が報告されており,それに基づけば高速な動的すべりは滑れば滑るほど促進される傾向にあることが示唆された. 2.非整数階微分を用いた現象論的粘弾性構成則の検証 応力が歪のn階微分に比例する粘弾性構成則について検証した.nを非整数階にも拡張することで,応力が歪の0階微分に比例するフックの法則に従う弾性と,応力が歪の1階微分に比例するニュートンの法則に従う粘性,加えて,これらを端点とした中間の挙動を0から1の微分階数を用いて粘弾性を表現でき,微分階数nは現象論的挙動の指標となる.この微分階数は微視的変形機構にも依存しており,岩石・鉱物の微視的変形機構に基づいて得られた粘弾性構成則と巨視的な現象論的構成則とが関連づけられることを明らかにした.
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Report
(3 results)
Research Products
(9 results)
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[Journal Article] 地震とラドン濃度異常2012
Author(s)
安岡由美, 石川徹夫, 長濱裕幸, 川田祐介, 大森康孝, 床次眞司, 志野木正樹
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Journal Title
地震予知研究の最前線
Volume: 論集
Pages: 410-427
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Peer Reviewed
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