Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Research Abstract |
湛水区と湿潤畑区におけるイネの物質生産反応における品種間差に焦点を当て,物質生産に差をもたらす生理形態的要因を明らかにすることを目的とした.湿潤畑区で湛水区よりも高い物質生産を示した品種は,茎数が湛水区に比べ湿潤畑区で20%程度増加し,主茎葉齢も遅延せず,葉面積が湿潤畑区で有意に拡大した.これらの品種は湿潤畑区における根表面積の維持程度が大きく,個体あたりの吸水量が湿潤畑区で有意に増加した.吸水量とN吸収量には有意な相関関係が認められた.以上のことから湿潤畑区で高い物質生産を示した品種は,吸水・N吸収能の向上により養水分供給が増加した結果,茎数の増加に伴う葉面積の拡大により光合成量が増加し,湿潤畑区で物質生産能が向上したものと推察した.供試70品種の中で最も高い水ストレス耐性を示したPuluik Arangの生理形態学的応答について,根系機能に着目してより詳細な研究を進めている.植物体め吸水・水輸送に関与が示唆されているアクアポリンのうち根での発現が認められる12種のmRNAレベルでの発現量を解析した結果,軽度の水ストレスで増加する分子種が存在すること,対照品種に比較し顕著に発現量が多い分子種が存在することが明らかとなった.Puluik Arangは高次側根を発生させるL型側根数の出現率が高いことが観察された.これら分子生理的,形態学的特性の吸水能への関与の解明にはさらなる研究が必要であるが,一連の研究結果から,Puluik Arangは水ストレスに対して優れた適応性を発揮し,初期生育における水ストレス耐性の重要な遺伝資源となりうる可能性が示唆された.
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