Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Research Abstract |
1.アファイン量子展開環の有限次元既約表現の間の拡大の研究を行った.$U_q(\hat{\mathfrak{sl}}_2)$の場合に,あるクラスの既約表現の1次のExt群について,昨年度の結果に帰着することでその次元を求めた.昨年度に比べればかなり広いクラスに対して1次のExt群が計算できたことになるが,完全解決には至っていない. また,既約表現の自己拡大の1次のExt群の次元が,その表現をテンソル積に関して素因子分解した際の素因子の数に一致すると予想し,ある仮定の下では証明を与えた.これは最近のChari-Moura-Youngの結果に触発されたもので,その精密化を与えている. これまでの研究に基づき,$U_q(\hat{\mathfrak{sl}}_2)$の場合に一般の有限次元既約表現の1次のExt群に対してその次元に関する予想を定式化した.また,これまでに得られた結果について以下の研究集会およびセミナーで口頭発表を行った. 第14回代数群と量子群の表現論研究集会(香川県,2011年6月) Infinite Analysis 11(東京大学,2011年7月,ポスター発表) 表現論セミナー(数理解析研究所,2012年2月) 代数セミナー(パリ,2012年3月) 2.箙多様体とエネルギー函数との関係についての研究を行った.昨年度の研究により,ADE型箙多様体のPoincare多項式が,アファイン量子展開環の基本表現のテンソル積の結晶基底とその上のエネルギー函数を用いて表示できることがわかっていた.このことは,基本表現のテンソル積の結晶基底を箙多様体を用いて構成できる可能性を示唆している.今年度はこの観察に基づき,エネルギー函数を箙多様体を用いて直接的に表示することを試みた.残念ながらこれらの問題を今年度中に解決することはできなかったため,将来の課題としたい.
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