2次元導波構造を用いたテラヘルツ帯電磁波面制御の研究
Project/Area Number |
10J04238
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Measurement engineering
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
門内 靖明 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2010 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2012: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | テラヘルツ波 / フェーズドアレイ / アンテナ / 導波路 |
Research Abstract |
本研究の最終的な目標は、100GHzから1THzにかけての極めて高い周波数帯(テラヘルツ帯)の電磁波に対するフェーズドアレイを実現することであった。採用第3年目は、第2年目の構想および基礎実験の成果に基づいて、世界初のテラヘルツフェーズドアレイを実証した。具体的には、静電気力によってパターンを自在に変更可能な反射型グレーティングを作製し、それを用いたテラヘルツ波ビームステアリングを実験的に実証した。なお、実験の実施にあたって、研究員は2012年6月から9月まで独マールブルク大学物理学科に滞在して研究を遂行した。 第2年目において、研究員は、静電気力によって自在にパターンを再構成可能な回折格子の構造を提案し、その試作にとりかかった。光マイクロマシンで用いられる反射型回折格子に比べると、テラヘルツ帯では約100倍大きな可動範囲が要求されるため、金属エッチングやフレキシブル基板電極などを組み合わせた新規な構造を提案してこれを実現した。具体的には、5μm厚の薄いステンレスシートに多数の開口をエッチングすることで、隣り合う開口の境界部分に残る支柱を両持ちカンチレバーとして利用した。実際に商業的なフォトエッチングプロセスを用いて、0.18mm周期のカンチレバーアレイを256本形成した。また、それらを個別に静電気的に駆動するために、厚さ12.5μmのポリイミド基板を絶縁層として各カンチレバーに個別に電圧を印加可能な電極アレイをフレキシブル基板上に形成した。 2012年の4月から5月にかけて上記のデバイス作製を完了させ、当該構造によりカンチレバーが個別に駆動可能なことを確認した。その後、6月から9月にかけて、作製されたデバイスを用いてテラヘルツ波ビームステアリングの実証実験を行った。実験にあたっては、研究員が独マールブルク大学に滞在し、テラヘルツ時間領域分光測定装置を用いて測定を行った。実験では、0.1~0.9THzの高帯域にわたって指向性ビームのステアリングが実証され、特に0.3THz付近では40度以上の走査角レンジが達成された。また、指向性ビームのみならず、集束ビームのステアリングも実証されている。研究の成果をまとめた学術論文が、2013年1月にOptics Express誌に掲載された。
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Report
(3 results)
Research Products
(15 results)