クロム添加銅粉末を用いたCu-CNT焼結複合材料の界面制御性と熱機械的特性
Project/Area Number |
10J04340
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Composite materials/Physical properties
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
曹 承贊 (2011) 東北大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(PD)
[チョ] 承贊 (2010) 東北大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2010 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | カーボンナノチューブ / CuCr合金粉末 / 表面処理 / クロム炭化物 / 荷重伝達 / 熱伝導率 / 熱膨張係数 / 引っ張り強度 / 表面欠陥 / CuCr / ナノ炭化物 / 界面制御 |
Research Abstract |
本研究では、Cu/CNT複合材料の熱伝導性を保ったままCu/CNT界面の結合性を改善することが重要である。SPS法を用いて1263Kで焼結したCuCr/CNT複合材料のSPS圧縮軸に垂直な方向の熱伝導率はCNTの堆積分率の上昇と共に複合材料の熱伝導率は低下する傾向にあるものの、CNTの体積分率が0.5%ではマトリックスより熱伝度率が上昇し、CNTの体積分率が約2%までは大きな減少は見られず、CuCr焼結体の熱伝導率と等しい値を示した。しかし、CNTの体積分率が0.5%の複合材料の熱伝導率の増加はCr炭化物の生成が複合材料の熱伝導率に及ぼす影響は少なく、複合材料の熱伝性を保ったまた界面結合性を改善できるという可能性を示した。また、SPS法を用いて1263Kで焼結したCuCr/CNT複合材料の熱膨張係数は体積分率の増加と共に熱膨張係数は減少する傾向にあった。従って、マトリックスとCNTの界面でのCr炭化物の生成によって、界面結合性が改善された結果と考えられる。この結果から、Crを微量添加することにより、マトリックスの熱伝導率に及ぼす影響は少なくした上で、界面にCr炭化物を生成させ、界面結合性を改善できたと考えられる。 また、本研究では押出し法を用いてCNTが均一に分散したCuCr/CNT複合材料を作製し、炭化物形成による界面結合性を確かめるために引張り強度を評価した。Crを添加してないCu/1%CNT複合材料の場合、引張り強度はCuより減少し、破断面でも引き抜かれたCNTが観察され、CNTのCuマトリックス間の弱い界面結合性によりマトリックスからCNTへの効果的な荷重伝達が生じなかったことが引張り強度の減少の原因と考えられる。一方、CuCr/CNT複合材料の場合、測定した引張り強度はCuCrに比べ、CNTの含有量の増加に伴い高い値を示した。また、破断面のCNTでは、内部層が現れたものと塑性変形したCNTも観察され、CNTの外面の破壊が生じCNT内部層が引き抜かれた結果で、マトリックス側の荷重がCNTに伝達され破断したものと考えられる。従って、CNTとマトリックスの界面結合性の改善がCNT複合材料の機械的特性の改善に非常に重要であることを実験的に証明し、その可能性を確かめることができた。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)