Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2012: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Research Abstract |
最終年度までに,大マグニチュードAEの実データ解析を徹底的に行ったことにより,大マグニチュードAEの性状を徐々に明らかにすることに成功してきた。最終年度は,主にこれまでに得てきた大マグニチュードAEに関する観測事実の総合解釈を行い,大マグニチュードAEの発生特性としてまとめるとともに,大マグニチュードAEのトリガメカニズム,マグニチュード支配要因についても検討した。その内容を以下の(A)~(C)にまとめる。 (A)大マグニチュードAEの発生特性 大マグニチュードAEは,発生場所・発生時間により特徴が異なることが明らかになり,それらを深部大マグニチュードAE,浅部大マグニチュードAEと分類できた。これまでの解析から得られた観測事実より,深部大マグニチュードAEと,浅部大マグニチュードAEの発生特性の大部分が明らかになった。 (B)大マグニチュードAEのトリガ Coulombの破壊基準のパラメータのうち,間隙水圧,もしくは応力変化がせん断滑りをトリガしたというモデルを検討した。その結果,Coulombの破壊基準から推定される間隙水圧がほとんどのAEのせん断滑りに対して最も支配的なトリガメカニズムである事がわかった。一方で,拡散過程に従う間隙水圧,先行する誘発微小地震のせん断滑りに起因する応力変化は,AEの支配的なトリガである可能性が低いということもわかった。 (C)AEのマグニチュード支配要因 Coulombの破壊基準のパラメータである間隙水圧,および,き裂に作用する応力が誘発微小地震のマグニチュードを支配要因であるというモデルを検討した。その結果,誘発微小地震のマグニチュードと間隙水圧は直接相関がない一方で,き裂に作用するせん断応力が大きい断層面からマグニチュードが大きい誘発微小地震が発生する傾向が見られ,せん断応力が大きいことが,破壊を進展させ大マグニチュードAEを発生させる1つの条件であると結論付けた。
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