Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Research Abstract |
超伝導材料探索における金属水素化物の研究目的は、金属に水素を吸蔵させることによって、金属の価電子帯の構造、あるいはフォノン状態密度を変化させてTcを向上させることと、水素を高密度に吸蔵させて、高Tcが期待される金属水素と同様の状態を出現させてTcを実現することにある。パラジウム系水素化物においてPdH_<0.8>およびNaPd_3H_2において超伝導転移が報告されており、Pd系新規水素化物における超伝導が期待されている。超高圧法によりPd-X系新規水素化物(X=Li,Na,K,Mg,Ba,Y,La)が探索され、Pd-K系を除くPd-X系において12もの新規化合物が合成された。Pd-50 mol%LiHにおいて、水素源を用いて5GPa、873K、8hの条件で作製された試料からXRDにより二相が観察され、試料をRietveld解析した結果、一つの新規水素化物は正方晶系(I4_1/and(No.141),Proto type LiFeO_2-type)の結晶構造とし、LiサイトにLi、FeサイトにはPdを置換した。OサイトにはHを置換し、水素含有量を考慮して占有率0.59とした。また、もう一つの新規水素化物については立方晶系(Fm--3m(No.225),Proto type NaCl-type)の結晶構造とし、NaサイトにPdおよびLiを出発組成の占有率それぞれ0.5となるように置換し、ClサイトにはHを置換し水素含有量を考慮して占有率0.59とした。精密化を行った結果、新規水素化物は正方晶系の結晶構造を有する相(LiPdH_<1.18>=40.07 mass%, 格子定数 a=0.39297(1)nm, c=0.86358(3)nm,R因子R_B=3.450%,R_F=1.573%)および立方晶系の結晶構造を有する相((Pd_<0.5>Li_<0.5>)H_<0.59>=59.93 mass%,格子定数 a=0.400841(9)nm, R因子、R_B=2.776%, R_f=1.583%)と見積もられた。収束の程度を表すR因子はそれぞれR_<wp>=9.305%,R_p=6.687%, R_e=3.001%, S=3.0677であった。この試料において磁気測定が行われ、4Kにおいて超伝導転移を示し、LiPdH_<1.18>が超伝導転移を示したと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
超高圧法によりPd-X系新規水素化物(X=Li,Na,K,Mg,Ba,Y;La)が探索され、12もの新規水素化物が合成された。Pd-Li系においてLiPdH_<1.18>が合成され、4Kにおいて超伝導転移を示し、幸運にも新規水素化物において超伝導の発現が観察されたため。
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