Project/Area Number |
10J05675
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Archaeology
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
青木 弘 Waseda University, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2010 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 土木考古学 / 土質工学 / 古墳築造技術 / 横穴式石室基礎構造 / 古墳時代 |
Research Abstract |
本年度は2点を軸に据えて研究を進めた。1点目は土木考古学の方法論の追究、2点目は横穴式石室をもつ古墳の基礎構造の分析である。 これらが目的とするところは、ひとつは土木考古学という未成熟な学問分野における基礎の構築である。もう一つは古墳がもつさまざまな構造のなかでも、主たる分析対象ではなかった横穴式石室の基礎構造の分析による古墳築造の地域差、および築造の背景にいた築造集団の考察である。 前者については、全国の古墳墳丘盛土を対象として、考古学の発掘調査成果と土質工学の分析結果をもちいて、各古墳間の盛土技術の差異と共通性を考察した。 後者については、群馬県、埼玉県、東京都、神奈川県に所在する古墳時代後期から終末期における横穴式石室をもつ古墳を対象として、基礎構造を分類するとともに、各分類と他構造との関連性を分析した。 両者の研究成果として、前者では異なる時期・地域に築造された墳丘盛土について、盛土の断面構造は異なるものの、古墳間でも共通する土質工学的性質が、湿潤密度分布や粒径加積曲線から認められることが判明した。すなわち盛土素材の突き固めの方法や盛土素材の選択においては、古墳時代前期以来通有の技術が存在する点を土質工学上から見出せる。また、検討に際し、古墳の発掘調査において土質工学分析を実施した調査事例を集め、提示した。 後者の研究では、基礎構造の分類が古墳の墳丘や石室規模、構造の精粗に対応し、古墳の形に示される階層性によって築造に採用される基礎構造に差が認められる点を明らかにした。また、地域によって特徴的な基礎構造と地域間で共通する基礎構造を見出し、基礎構造の分布と横穴式石室の室内構造の分布から、古墳築造集団の在り方を推定した。この研究は、次年度論文として発表する予定である。
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