Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
自然免疫は、細胞が病原体由来の分子構造を認識し、病原体を排除する生体防御機構である。近年の研究により、自然免疫に関わる様々な因子が同定されているが、そのシグナル伝達および病原体排除機構において未知の部分が多く残っている。そこで、本研究では、自然免疫の包括的な理解を目指して、DNAウイルス感染に対する自然免疫の制御因子を同定する。具体的には、モデル生物であるショウジョウバエのゲノムワイドRNAiライブラリーを用いて、昆虫特異的DNAウイルスであるバキュロウイルスの増殖抑制に関わる宿主因子の探索を行なった。前年度までに、バキュロウイルスにLuciierase遺伝子を組み込んだ組換えウイルスをレポーターウイルスとして用いて、レポーター遺伝子発現に影響を与える因子をRNAiスクリーニングにより探索した。その結果、複数のヒストンメチル化酵素の遺伝子発現抑制によりバキュロウイルス遺伝子発現が大幅に増強されることが明らかとなり、バキュロウイルスの遺伝子発現がヒストンメチル化により抑制されていることが示唆された。ヒストンメチル化を介したウイルス遺伝子発現抑制が哺乳動物においても保存されていることを確認するために、Hela細胞およびHek293細胞において同定されたヒストンメチル化酵素の遺伝子発現を抑制したところ、バキュロウイルスの遺伝子発現が増強され、哺乳動物においてもヒストンメチル化を介したウイルス遺伝子発現抑制が保存されていることが示された。現在はこのヒストンメチル化酵素がウイルス遺伝子発現を抑制するメカニズムを解明するために、クロマチン免疫沈降により本酵素がウイルスゲノム上のピストンのメチル化状態に与える影響を調べている。
All 2011 2010
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Cellular and Molecular Life Science
Volume: 68 Issue: 7 Pages: 1157-1165
10.1007/s00018-010-0605-2
Cell
Volume: 147 Issue: 2 Pages: 436-476
10.1016/j.cell.2011.09.022
Volume: 68 Pages: 1157-1165