教育実践に対する「語り」の限界に関する研究―NCLB法と京都市の事例から―
Project/Area Number |
10J05743
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Sociology of education
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
桐村 豪文 京都大学, 教育学研究科, 特別研究員DC2
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Project Period (FY) |
2010 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 政策研究 / 問題解決活動 / 信頼性 / 因果関係 / 科学論 / 教育資源配分 / Success for All / 仲介機関 / 操作可能性 / 科学哲学 / 科学的実在諭 |
Research Abstract |
本研究は、教育実践を語る政策研究の基礎を構築することを目的とするものである。その目的を果たすためには、教育実践を語ることの現実(限界と可能性)を知らなければならない。その現実とは、(1)実証主義の虚偽性、(2)因果関係を導く方法論の多様性、(3)因果関係を導く方法論の信頼性を検討する必要性、(4)実践の実践性を前提とした上で立脚すべき科学的探究のあり方、である。 (1)の実証主義の虚偽性とは、一般に政策研究がとる科学アプローチの態度が内包するドグマを意味する。例えば計量経済学的手法のように、教育資源配分の効率性を問題とする際、事実(データ)を収集し、それに基づくことによって「客観的」な規則性や因果関係等が導き出される。この態度は「事実/価値二分法」というドグマであり、虚偽性を孕んだ信念なのである。 (2)の因果関係を導く方法論の多様性に関する研究では、現に米国の教育学研究者の間で展開された議論を取り上げ、どのような多様性があり、どのように対立しているかを論じた。 (3)の因果関係を導く方法論の信頼性を検討する必要性に関する研究では、「真/偽」ではない別のコードに依拠するならば、方法論の信頼性の程度を判定することが可能であることを示した。 (4)の実践の実践性を前提とした上で立脚すべき科学的探究のあり方については、科学知と実践知との対話可能性を論ずるものである。(3)までは科学知の信頼性を問題としていた。(3)では、より信頼性の高い科学知(因果関係等)を導き出すために、それが依拠する方法論の信頼性をこそ問い返す必要性を求めた。しかしそれでもなお科学知には限界があり、実践(知)との関わりの場面においてそれが顕在化するのである。(4)では、政策研究を「研究・開発・普及」という一連の科学的探究の営みとして捉え直し、この包括的視点から、科学知と実践知との対話可能性を追究するのである。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)